国内

SEALDs・奥田氏と高校生未来会議・斎木氏の関係

SEALDsは参院選で小川敏夫氏(民進党)ら野党を応援

 7月の参院選から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた。若者の政治意識を高めた「SEALDs」に続けとばかりに、新たな政治運動が始まっている。ノンフィクションライター、西谷格氏がレポートする。

 * * *
 新宿にある小川敏夫(民進党)の事務所前を歩いていたら、奥田愛基(24)に偶然出くわした。昨夏、安保法案成立の際に国会前でデモ活動を行った学生団体「SEALDs」の中心メンバーだ。今回の参院選でSEALDsは小川など野党の応援のため街頭に立っていた。

 奥田に話し掛けてみると、「僕、今日は体調悪いんですよ」とテンションが低い。連日の選挙応援の疲れが溜まっているようだ。

 だがその翌日、参院選の選挙戦最終日となった7月9日夜、新宿駅東南口に現れた彼は、道端で会ったときとは様子が違った。

「センキョニイコウ!」
「オガワトシオ!」

 右手人差し指を突き上げ、ラップ調の独特なリズムで候補者名を連呼。観衆が一つになり、一瞬で場の空気が熱を帯びた。結局、小川は辛うじて当選したものの、SEALDsの存在感は、昨年より明らかに薄まっていた。

 若者の政治参加は早くも停滞気味なのか。いや、「SEALDs=若者代表」という図式が当てはまらなくなっているだけかもしれない。いま、SEALDsとは違った主張や運動を展開する若者の政治団体が脚光を浴びている。

 参院選公示直後の6月末、渋谷駅前で若者の政治参加をテーマにしたイベントが行われた。そこで一番盛り上がったのが、奥田愛基と一般社団法人リビジョン代表・斎木陽平(24)の対談場面だ。この春、慶應大学院を修了した斎木はAO入試に特化した大学受験予備校「AO義塾」を慶應大学一年生の時に起業した経歴で知られる。だが、ここで言及したいのは「高校生未来会議」創設者としての顔である。

 高校生未来会議は、高校生を対象にした政治への参加意識を高めるイベントで、女子を対象にした「女子高校生未来会議」を含めればこれまで10回近く開催されてきた。デモではなく、あくまで勉強会。

 たとえば昨夏行われた「全国高校生未来会議」では100数十人の高校生がチームごとに政策を討議し、最優秀チームには内閣総理大臣賞が授与された。各党の国会議員や有識者を招き、地方創生をテーマに議論。模擬投票も行った。参加議員の顔ぶれは幅広く、与野党合わせて10政党の議員が協力している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
【独自】「弟がやったことだと思えない…」中居正広氏“最愛の実兄”が独白30分 中居氏が語っていた「僕はもう一回、2人の兄と両親の家族5人で住んでみたい」
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新田恵利(左)と渡辺美奈代があの頃の思い出を振り返る
新田恵利×渡辺美奈代「おニャン子クラブ40周年」記念対談 新田「文化祭と体育祭を混ぜたような感覚でひたすら楽しかった」、渡辺「ツアーも修学旅行みたいなノリ」
週刊ポスト
放送時間を拡大しているフジテレビの『めざましテレビ』(番組公式HPより)
日テレ『ZIP!』とフジ『めざまし』、朝の“8時またぎ”をめぐるバトルがスタート!早くも見えた戦略の違い
NEWSポストセブン
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
公的年金は「社会的扶養」「国民の共同連帯」「所得再分配機能」(写真提供/イメージマート)
《まるで借りパク》政府の基礎年金(国民年金)の底上げ案 財源として厚生年金を流用するのは「目的外使用」ではないのか、受給額が年間8万円以上減額も
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン