2016年夏の名言
夏の甲子園で全49代表が登場し、その半分が甲子園を去った。今年も彼らが残した言葉のうち印象的なものを現地で取材を続けるフリーライターの神田憲行氏が紹介する(順不同)。
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京都翔英・浅井敬由監督
初出場。初回に先制点を奪うが1-9で敗れる。
「甲子園に出られたのが夢みたいなものでしたが、夢の続きはなかったということです」
東北(宮城代表)・渡辺法聖投手
中学時代の友人である横浜・公家響選手にホームランを喫した。
「1打席目に抑えて心に余裕があったんですが、失投でした。公家君は中学時代から比べてオーラが倍くらい出てましたね」
前橋育英(群馬代表)・小川龍成主将
兄は3年前に同校が全国制覇したときのメンバー。
「最初は兄貴を超えるために練習していたところがあったんですが、春ぐらいからチームのまとまりみたいなものを感じるようになって、いつまでもこの仲間たちと野球をしたいと考えるようになりました。負けてしまって、悔しい思いと、もう仲間と野球が出来ない寂しさがあります」
クラーク記念国際(北北海道代表)・平澤津虎揮投手
背番号6の先発投手。先制するが逆転を許してしまう。
「(笑顔でお立ち台に上がる)悔しいですね(笑)体力がないので球威が落ちたところを打たれてしまいました。ま、しょうがないです。やりきった思いはありますから」
佐久長聖(長野代表)・藤原弘介監督
藤原監督は今夏で休部が決まったPL学園野球部出身。佐久長聖アルプスからはPL学園応援歌で有名な「ウィニング」がかかった。
「(ウィニングを演奏するとは)知らなかった。たぶんベンチに入れなかった3年生が吹奏楽部と相談してくれたのでしょう。個人的に懐かしく、力をいただている気がした。自分の気持ちを察してくれて、配慮が嬉しかった。ありがとうといいたい。佐久長聖の教員として、そういう生徒になってくれたのが嬉しいです」
大分・松尾篤監督
4-12の大差で敗れて。
「(壇上に上がり、「はぁー」とため息をついて)もう完全に力負けですね、すごかったですわ。初回に向こうの先頭打者に素晴らしいバッティングされて、ちょっとヤバイなと思いました」