日本一チャラい東大生としてテレビなどに出演する、東大理科III類1年生の針間貴己くんが、様々な話題を独自目線で斬る本連載。2回目となる今回は、サイエンスやスポーツ、受験の世界にも通じる「常に1番を目指す姿勢」について語ってもらった。
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皆さんは蓮舫議員のあの発言を覚えているであろうか?
そう、「2位じゃだめなんでしょうか?」というやつである。
これは09年、民主党による事業仕分けの際に、スパコン(スーパーコンピューター)の性能ランキング世界1位を目指す研究者たちに対して言い放ったセリフである。
当時僕は、普通に「2位じゃだめだろ」と思った。というのも、サイエンスの世界では1位と2位の扱いに大きな差があると思う。わかりやすくいうと、例えばある元素を誰かが1番に見つけて、その後に別の人が同じ元素を見つけても、命名権を持つのは最初に見つけた人である。
あらゆる人が1番を目指して競争し全力を尽くした結果としてサイエンスは進歩し、スパコンも進化してきた。
サイエンスの世界に限らず、蓮舫議員が身を置かれている政治の世界こそ、1番と2番の差はもっと顕著であろう。第一政党と第二政党の差を考えていただければ明らかである。第一政党を狙える立場にあって、それを狙わない政党があるだろうか?
宇宙だってそうだ。人類で最初に月に降り立ったのは、ニール・アームストロングだが、あなたは人類で2番目に月に降り立った人が誰か知っているだろうか?
現在オリンピックに世界中が熱中しているが、陸上100mで歴代1位の記録を持つウサイン・ボルトに比べ、2番のタイソン・ゲイの知名度は一気に落ちる。多かれ少なかれどこの世界でも1番に比べ2番は一気に扱いが落ちるのだ。
そして多くの場合、2番を目指していたら2番にもなれないのが現状だ。
それはなぜか。
手を抜いているからである。2番を目指すというのは、意識するかしないかに関わらず、基本的に1番を取らないよう、どこかで微調節をしているのである。「まあ1番でなくてもいいや」と。
先の蓮舫議員の例を見れば、「2位じゃだめなのか?」ということは、すなわち「予算削減させろ」ということであった。事業仕分けなので当然である。これは別に、2番になる分には「お金はそこまでいらないだろ」という考えが根底にある。
ここで僕は声を大にして言いたい。
「勝負なめんなよ!!」ということである。
なめた気持ちで挑んで2番になれるほど、勝負の世界は甘くない。そこで仮に2番になれたとしても、本来全力を尽くしていれば1番になれたかもしれない可能性を自らつぶしている。
これは非常にもったいないことである。金メダルを目指して頑張ってきたオリンピック選手にむけて、勝負する前から「銀メダルじゃだめなの?」なんていう人がいるだろうか。