東京に女性初となる小池百合子・知事が誕生し、内閣改造では稲田朋美氏が防衛大臣に抜擢された。野党を見れば蓮舫氏が女性初の民進党代表最有力候補。
女性議員の比率が世界最低水準という問題がかねてから指摘されてきた日本で、彼女たちの存在感が増しているのは、本来、喜ぶべきことなのだろう。
世界に目を向ければ、英国ではサッチャー以来26年ぶりの女性首相であるテリーザ・メイ首相が誕生し、米国でもヒラリー・クリントン氏が初の女性大統領を目前にしている。評論家の小沢遼子氏は、女性の指導者が求められている理由をこう見ている。
「各国とも少子化など男性政治家だけでは解決できない課題が山積し、経済活動でも女性の社会進出が不可欠になっている。世界の女性指導者を見ると、『ドイツのお母さん』と呼ばれるメルケル首相は包容力のある手堅い実務家、メイ首相は内務大臣時代に大胆な警察改革で犯罪を減らし、ヒラリー氏は類い希なディベート力の持ち主。意外かもしれませんが、男性より女性の政治家の方が事に及んでリスクを恐れず、“大胆な決断”ができる人が多い」
わが日本の有力女性政治家たちの「資質」はどうか。「女は度胸」という点ではやはり小池氏が際立つ。
「崖から飛び降りる覚悟」と宣言して都知事選に出馬し、選挙戦では〈都議会の冒頭解散〉と〈利権追及〉を掲げて自民党東京都連に真っ向からケンカを売った。有権者に「孤立無援の戦いです」と訴えて見事当選と相成った。
ただ、その真骨頂は当選後に発揮された。“大胆な決断”による変わり身の早さで周囲を驚かせたのだ。