配送業を営むAさん(50代男性)は、20代から歩行にも支障が出るほどの腰痛を抱えていた。原因は、スキーで左脚を3度骨折、脚の長さに違いが出て骨盤にズレが生じたこと。毎年、特に秋口から激痛に悩まされ、「2日は寝込まないと、秋にならない」。渡り歩いた病院で腰の手術も勧められたが、治るかどうかは五分五分だと宣告された。
「それなら手術せずに、痛みとうまくつきあっていこう」と、あきらめの境地に達したAさん。ところが2015年秋、「気がつけば寝込むほどの痛みから解放されていた」という。その半年前に通い始めた施術センター、「フィジカルウェーブリソナンス ソナ」(長野県長野市)での施術と、「座ってユラユラ」という自宅でできる健康法の実践が、改善の理由ではないかと語る。
Aさんが1日5分、テレビを見ながら行っている「座ってユラユラ」は、2人の理学療法士、山岸茂則氏(同センター代表)と、「バイニーアプローチセンター」(本店・長野県諏訪市、東京銀座店・東京都中央区)代表の舟波真一氏が考案した健康法、「うつぶせユラユラ」の応用編だ。
基本となる「うつぶせユラユラ」は、【1】枕を抱えてうつぶせに寝る、【2】顔を左側に向けてお尻を左右にユラユラ動かす、【3】これを2分間リズミカルに行う。コツは一生懸命やらないこと。それだけで腰痛・ひざ痛・肩こり・冷え性・むくみ・生理不順・便秘・歯ぎしり・めまいといった、様々な痛みや不調の改善効果が期待できるのだという。
「寝る前にうつぶせユラユラを行っている」Bさん(30代男性)は、高校時代の柔道の影響か、坐骨神経痛と重度の腰痛の持ち主。痛みで眠れない夜は患部を叩いて気を紛らしていたが、施術を受けて「うつぶせユラユラ」を取り入れてからは、「血流がよくなるのか、ぽかぽかしたり、違和感がとれていたりする」という。
腓骨神経痛で、左足にしびれたような感覚があるCさん(60代女性)によると、「ほかのリハビリ体操と比べると行程も少なく、とても楽」。長時間の外出や会食の後には全身の痛みに襲われていたが、「1日の疲れでゆがんだ背骨が、まっすぐに並べ替えられるような気持ちよさがある」という。
ちなみに、うつぶせができない場合は、あおむけで、あるいは立って、そしてAさんのように椅子に座って、という方法もある。