気付けば最大11.5あったソフトバンクホークスとのゲーム差を引っくり返し、「パ・リーグ版メークミラクル」を実現させそうな期待も見られる日本ハムファイターズ。ペナントレースの鍵を握ることになりそうなのが、大谷翔平の投手復帰である。
7月にマメを潰して以降、一度中継ぎ登板があっただけの大谷。先発では一度も投げていない。そこで浮上しているのが、DHで先発し、試合途中でリリーフする「ウルトラC」のプランだ。
「登板間隔が空いているだけに、即先発復帰は厳しい。そこで浮上したのが“DHからのリリーフ”案。試合途中でDHの選手が守備につくことはルール上問題ない。その場合はDHが消滅し、投手が打順に組み込まれる。大谷が最初はDHで打席に立ち、チームが満塁などのピンチになればブルペンからマウンドに登るという、漫画のような展開があるかもしれません」(日ハム担当記者)
残されたソフトバンクとの直接対決は、9月21、22日の2試合(ヤフオクドーム)のみ。ここでの大谷の「リアル二刀流先発」を予想する声は多い。
「大谷は7月3日のソフトバンク戦では『1番・投手』で出場し、勝ち投手になった。今季、投打ともヤフオクドームで絶好調の大谷を活かすには、リアル二刀流が最善です。終盤に競り勝つために現在は肩とヒジを休めているというのが関係者の間での『定説』です」(同前)
やはり打倒ソフトバンクのキーマンは大谷となるのは間違いなさそうだが、かつてソフトバンクでコーチを務めた野球評論家の杉本正氏はこう話す。
「今季、日ハムが優勝すれば、大谷は2013年に楽天をほぼひとりで日本一に導いた田中将大を超える伝説を残すことになるでしょう」
パ・リーグ版メークミラクルを期待せずにはいられない。
撮影■山崎力夫
※週刊ポスト2016年9月9日号