白いジャケットの襟を立て、ぽんぽんと歯切れのいい言葉で斬りつける。目下、民進党代表選(9月2日告示、15日投開票)は蓮舫女史の独壇場だ。外国人記者クラブでの会見(8月23日)も聞き応え満点だった。
「民進党には多様な人材がいます。そして政策もあります。残念ながら、ないのは信頼です」
記者たちが爆笑すると、じろりと一瞥して「ここは笑うところではありません」とピシャリ。相変わらず女王様全開である。支持率が高い敵を持ち上げ、低支持の味方をこき下ろしてみせる呼吸も上手い。
安倍首相のことを「株を上げて、為替を大きく振れて、空気を変えて、明日よくなる。こういうことがちゃんとできる人はリーダーだと私は尊敬しています」と評価してみせる一方で、上司の岡田克也・民進党代表には、「私は岡田代表が大好きです。ただ、1年半一緒にいて、本当につまらない男です」といってのけた。
所属議員たちへの代表選出馬の挨拶回りでも余裕綽々なところを見せた。
蓮舫氏の後ろ楯が野田佳彦・元首相であることは周知の事実だが、中堅議員たちが「代表に当選したら野田院政になるんじゃないか」というと、手をヒラヒラ振って、「そんなのないない」と一笑。同党若手のホープ、玉木雄一郎氏を事務所に訪ねた際には「あなた、代表選に出なさいよ」と上から目線で出馬を迫った。