マイナス金利の影響で、来年から貯金型保険料の予定利率が下がる見通しに。つまり、保険という形で貯金をしても、あまり得しないというわけだ。さらに、2018年には、終身型の医療保険も値上がりになる予定。「医療保険は終身で」と考える人が多いだけに、この値上げは痛い…。
ところが、保険評論家でファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんは「そもそも医療保険は必要ない」とバッサリ!
「健康保険には高額療養費制度があり、一般的な収入の家庭ならどんなに治療費がかかっても月額約9万円で済みます。ほとんどの人は貯金でまかなえるリスクです」(長尾さん、「」内以下同)
医療保険に毎月5000円を20年払い込めば120万円。仮に手術で10万円、入院1日につき1万円の給付金が出るとしても、何度も手術や入院を繰り返さなければ元はとれない。それなら現金で持っていた方が治療だけでなく、通院のタクシー代や薬代にも使える。
「どうしても不安なら、できるだけ少額で加入を。過去5年以内に入院手術がない、非喫煙者なら“リスク細分型”といって、保険料が割引になるタイプがおすすめです」
高額療養費制度は、がん治療にも使える。だったら、がん保険も必要ないのだろうか?
「がん保険は必要です。なぜなら、がんは精神的苦痛が他の病気より大きく、仕事を辞める人も多い。そんな中、がんと診断された時に出る“診断給付金”は重要。まとまったお金があれば、治療に専念できます」
そこで、「今入るなら」と長尾さんに選んでもらったのが下記4つのがん保険だ。当記事最後で紹介する。そして、長尾さんはこう続ける。
「最近は手術や入院をせず、通院で抗がん剤やホルモン療法を行うケースが増えています。これから入るなら、こうした治療にも保険金が出るがん保険を視野に入れましょう」
また、高額療養費制度が適用されない自由診療に対応するがん保険もおすすめだ。
「先進医療など、保険がきかない治療法でがんと闘いたい人は入って損はありません」
ただし注意点が1つ。現在のがん保険を解約するなら、新保険の契約が終わり、90日の免責が終わった後にすること。がん保険に限らず保険には審査があり、必ず加入できるとは限らないからだ。保障の空白期間を作らないよう、新保険が機能してから旧保険を解約すると覚えておこう。
保険は自分では対応できないリスクに対して入るもの。大切なお金をかけるなら、医療保険よりがん保険を優先させた方が賢い選択といえる。
◆今はいるなら、このがん保険