大ヒット中の映画『シン・ゴジラ』のエンドロールには、取材協力者として小池百合子都知事(64才)の名前がある。小池氏は元防衛相。劇中にはアイラインを濃いめに引いた余貴美子演じる女性の防衛大臣が登場するが、モデルは小池氏といわれる。彼女は都庁での会見で、監督に「ゴジラに電線を食べさせないで」と訴えたというが、「あれはゴジラの大好物だから」と断られたと明かした。
都知事就任から1か月、彼女の一挙一動は連日ニュースやワイドショーを賑わせている。利権にまみれた都議会との対決を打ち出し、11月の築地市場から豊洲新市場への移転の延期を決定。膨らむばかりの五輪開催費用の調査を行うことも明言し、「小池都政に既定路線はございません」とバッサリ。さらには新党結成の可能性にも触れ、まさに“ゴジラ”のように都政をぶっ壊す快進撃を続けている。
「ここだけの話、野田先生はあの選挙(都知事選)、手伝ってくれていた。これは処分の対象ではないか」
9月2日、都内のホテルで開かれた自民党の野田聖子議員(56才)のパーティーで小池氏がそう明かすと、会場からはどよめきが起きた。
「自民党は“小池さんを応援した議員は処分する”と言っていました。その方針に逆らってまで野田さんは小池さんを陰で支援していた。野田さんの親族が小池さんの秘書のように動いて、サポートしたそうです。今まで疎遠だといわれていた2人なだけに、本当に驚いた」(全国紙都政担当記者)
野田氏といえば、昨年9月、「日本の総理大臣を無投票で決めるのは、国民をバカにしている」と自民党の総裁選への出馬を目指したが、推薦人20人を集められずに出馬を断念した。その後も、事あるごとに「女性初の総理大臣の椅子」への意欲を語っている。
「過去、自民党の総裁選に立候補できた女性はただ1人、2008年の小池さんだけ。彼女も初の女性総理に近く、野田さんにとっては最大の“ライバル”のはず。そもそも政治家として2人が歩んできた道は対照的なんです」(政治ジャーナリスト)
小池氏はニュースキャスター出身。40才の時、参議院選に日本新党から出馬して当選(1992年7月)。その後、2002年に自民党へ。小泉純一郎首相に引き立てられ、2003年に環境大臣に抜擢された。
しかし、ただ“寵愛”を受けただけではない。2005年8月のいわゆる「郵政選挙」では、郵政民営化に反対する候補への「刺客」に真っ先に志願し、兵庫から東京に選挙区を移して落下傘候補として闘った。その郵政選挙で、小池氏とは逆に郵政民営化に反対したのが野田氏だ。
「お互いの勢力の旗手として、2人の相反する女性議員はクローズアップされました。野田さんは元大臣の父を持つ政界エリートで、37才10か月という若さで史上最年少の大臣になりました。一方で、小池さんはキャスター出身、40才で初当選。政治家としての第一歩からして正反対。しかも、最近はそれぞれ、自民党内にある派閥みたいな“女子会”のリーダー的存在で、お互いを強烈に意識していました。