フジテレビの秋の改編で、今春に掲げた「15時間生放送」をわずか半年で終了することが発表された。今後は、平日夕方の『みんなのニュース』を1時間縮小して、『メディアミックスα』に変更。15時50分~16:時50分をBS・CS・配信との連動コンテンツやドラマの再放送にあてるという。「15時間生放送」は、低迷が続くフジテレビ再生のための一大プロジェクトだったはず。なぜこんなにも早く方向転換をはかったのだろうか? テレビ解説者の木村隆志さんが分析する。
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逆風が続く中、「わずか半年で挫折」と揶揄されるのを承知で、さほど重要ではない16時台の1時間のみを変更したところに、フジテレビの苦悩が見て取れます。しかも放送されるのは、BS・CS・配信との連動コンテンツやドラマの再放送。つまり、「『メディアミックスα』を見てもらいたい」という自信満々の番組ではなく、主にプロモーション目的のコンテンツが予想されているのです。
『みんなのニュース』の視聴率が好調ならこの改編は必要なかっただけに、番組関係者は悔しい思いをしているでしょう。ただ、『みんなのニュース』の16時台は、なぜか日替わりの若手イケメン俳優を起用したり、木村拓也アナが人力車で街を歩きながら天気予報したりなどのギャンブル的な企画が不発で、視聴者をつかめなかったのも事実。再放送のドラマを下回るレベルの低視聴率から抜け出せませんでした。
もともと録画視聴が期待できない生放送番組は、視聴率がそのまま支持率に直結するだけに、今後も午後帯の番組で縮小や打ち切りがあるかもしれません。特に、『ミヤネ屋』(日本テレビ系)の後塵を拝す『グッディ』(フジテレビ系)や『ゴゴスマ』(TBS系)、『news every.』の後塵を拝す『Nスタ』(TBS系)の関係者は、「明日は我が身」と身が引き締まる思いではないでしょうか。