2016年になってから政治家や芸能人の不倫が次々と発覚したが、不倫現場を狙われているのは有名人や立場の高い人だけではない。一般人の不倫調査を探偵に依頼してくる妻たちの情報リテラシーは年々上がっていると、不倫調査も行なっている都内にある某調査会社の代表は話す。
「私が業界に入った25年前とは女性の価値観がまったく変わりました。以前は、ひとりで電車も乗ったことのないようなお嬢様育ちの富裕層の奥様が『真実を知りたい』と依頼してくることが多かった。そのため調査で不貞が発覚しても耐え忍ぶのが普通でした。
だが、いまは離婚を前提に、弁護士にも相談し、争点となる慰謝料や養育費の交渉を有利に進めたいから、不貞の証拠がほしいというケースが目立ちます。しかも、依頼に来る前から夫のパソコンやスマホのネット閲覧履歴をチェックしている人が多い」
自分の母親同伴で相談に来る妻も増えた。数十万円の調査費用を母親が負担することも多いようで、離婚を思いとどまらせるのが親の役目だった一昔前とは大違いのようだ。
「女のカン」は総じて鋭いという。
「妻が『怪しい』と疑ったら、ほぼ確実にクロ」(代表)
女性が夫に疑念を抱き始めるのは、どんなことがきっかけなのか。代表は過去の事例を紹介してくれた。
「急にオシャレに目覚めたり、口臭を気にし始めたりするのを、妻たちは浮気の兆候として嗅ぎ付けています。特に女性は匂いには敏感ですから、突然香水を使い始めたり、フリスクなどのタブレット菓子を持ち歩くようになれば、まずバレますよね。
無意識にスーツのポケットに突っ込んだレシートやクレジットカードの明細なども行動を捕捉されやすく危険です。