近ごろ、テレビドラマで主演女優たちの“連続出演”が目立つ。人気脇役のかけ持ち出演が多く見られる一方、主役クラスの女優や俳優たちにも、主演もしくは主要キャストでドラマに連続出演する流れが起きている。
その中でも異例の流れといえるのが、朝ドラ主演女優の連続出演だ。土屋太鳳(21才)は、『まれ』の直後に『下町ロケット』(TBS系)に出演。波瑠(25才)は『あさが来た』から一年間、3作連続で主役やヒロインを務めあげ、『とと姉ちゃん』への出演が決まった高畑充希(24才)はその直後、月9『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)の主要キャストにも名を連ねた。
3人立て続けに、朝ドラ主演前後に連続ドラマに出演するというタフなスケジュールをこなしているが、これは「異例のこと」とテレビ解説者の木村隆志さんは語る。
「長い準備期間に加えて、連日15時間もの撮影が約8~10か月間も続くと言われる朝ドラ主演は、視聴者の想像以上に過酷です。中には体や心が壊れる寸前まで追い込まれる人もいるほどで、朝ドラ主演後は休みをとるのが普通。続けて連続ドラマに出演するというのは、心身ともに極めて厳しいことなんです。民放ドラマですら、2クール連続でメインのキャストを務めるのは、体力やスケジュール的に難しく、普通は年に1本で十分といえるハードなものですから」
この「極めて厳しい」ハードスケジュールをこなす流れは、なぜ起きているのだろうか。その背景には、連続して出演できる本人のモチベーションと事務所の戦略があるという。
「まず、強行スケジュールをこなせる体力があることです。土屋さん、波瑠さん、高畑さんが共通して持っているのは、類いまれな『体力』と『モチベーション』。これが非常に高いことです。その中でも、1年間出続けている波瑠さんは異例中の異例。何よりその体力には驚かされます。高畑さんも朝ドラ出演前に月9の主要キャストに起用されるのは異例のことですが、かけ持ちできたのは『この作品に出たい』という本人のモチベーションに他なりません。このところ波瑠さんや高畑さんのような、ガッツのある女優さんが増えてきたのはドラマ業界にとって明るい材料です」(木村さん、以下「」内同)
また、事務所も作品選びに慎重になるのではなく、役をしっかりと選びながらも積極的に出演していく姿勢をとっている流れがあるという。
「能年玲奈さんのように、慎重に作品を選びすぎてしまった例もありますし、吉高由里子さんや堀北真希さんも、もともと人気はあったとはいえ、朝ドラ終了直後という最大のチャンスを棒に振ってしまったところがありました。それら過去の例を踏まえて、その後の主演女優の方たちは、“本人がいけるならいこう”と積極的に出演していく流れになっていますね。実際、土屋太鳳さんも波瑠さんも朝ドラ後の連続出演で成功して、その後もいいポジションをキープしています。