原作ファンの多い作品の実写化には必ず賛否両論がつきまとうものだが、『パタリロ!』の場合はどうか。12月から行われる舞台『パタリロ!』に主演するのはタレントとしても役者としても人気急上昇中の加藤諒(26才)である。この起用について、原作をよく知るコラムニストのペリー荻野さんは「快挙」と絶賛する。ぺリーさんがそのワケを解説しつつ、過去の人気漫画の実写化を振り返る。
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連日山盛りの芸能ニュースを見聞きして、たいていのことでは驚かなくなった今日この頃。しかし、「『パタリロ!』舞台に加藤諒が主演」というニュースには、ハタと手が止まった。
素晴らしい!! よくぞ思いついた人がいたものである。『パタリロ!』といえば、『花とゆめ』で連載が始まった魔夜峰央の少女ギャグマンガ。掲載誌を替えながら、連載39年。少女漫画界のギャグマンガでは最長記録という人気シリーズである。アニメ版で親しんだ人も多いと思う。カリブ海に浮かぶ「マリネラ王国」を舞台に、パタリロこと若き国王パタリロ・ド・マレネール8世殿下とその側近たち(美少年が多い)によるバタバタ劇が展開する。
天才的な頭脳と驚異的な身体能力を持つパタリロだが、性格はわがままでお金も大好き。得意技のひとつは足が複数に見える「ゴキブリ走法」である。人をおちょくるのが大好きで「シビアなお方だ…」と言われたら、「渋谷だと?」と返さずにはいられないタイプ。
その外見を説明するのを一言で説明するのは難しいが、公開された『パタリロ!』の「金髪に美少年風のお目目パッチリメイクの加藤諒が黄色い軍服風衣装でうっとり顔をしている」写真は、まさにパタリロを体現。何より、顔が大きく、ずんぐりしたバランスがぴったりなのである。しかも、私はすっかり失念していたが、殿下は年齢が10歳! 10歳を演じ切れるのも加藤諒ならではかも…。すごい舞台になりそうである。
日本では、人気マンガ・劇画の実写化は数多く、似ている!とうなりたくなることもある。おそらく誰にでも「マイベスト実写キャスト」があると思う。