放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、福原愛選手の日本と台湾での結婚会見を比較分析。
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多くの国民が「親戚のおばちゃん&おじちゃん」の気持ちで見守り、心から祝ったのが卓球の「愛ちゃん」こと福原愛選手の結婚会見だったのではないか。
「結婚していた」ことがスポーツ紙にスクープされるも、「リオパラリンピックが閉幕してから」と正式な報告を遅らせていた愛ちゃんは、まず日本で会見を行った。
その一部始終を21日、『バイキング』(フジテレビ系)開始前に、同番組スタジオのサブで出演者らと共に見せてもらった。
小さなモニターで見ていたこともあるのだが、「なんでこんなに重たい空気なんですか?」「記者の話すトーンも暗いし…」と疑問を投げかけると、「今日はスポーツの人しか入れてもらってないですからね」と番組スタッフが教えてくれた。
横で見ていたスポーツ紙のデスク氏も「そうなんですよ、芸能記者は今日は入れていない」とボヤいていらした。
というワケで、この日の幹事局だったTBSのスポーツ局所属の女性記者は、選手としての愛ちゃんの今後にいきなり言及。「いや、まだその質問はいいでしょ」「なれそめとか、プロポーズの言葉を聞かないと…」と一緒に見ていた人たちから一斉にツッコミが入った。
そんな中、だいぶ質問の順番は遅かったのだが「フジテレビ『めざましテレビ』の岡副麻希です」と、“黒い桐谷美玲”こと岡副キャスターが手を挙げた。
自身もスポーツウーマンで、フィンスイミングや遠泳を特技としている彼女。だから年中日焼けしているのだが、本人に聞くと「そうでもないですよ」などと言う。いやいや、黒いって!!
そんな岡副は、『めざましテレビ』の“スポーツ担当”として会見場にやってきたのである。で、婚約指輪の質問を…。サブ内から「いいぞ、岡副!」と称賛の言葉が飛んだことは言うまでもない。
で、例の卓球の弧線を描いた世界に一つだけのオリジナル指輪を愛ちゃんがカメラに向けてチラッと見せてくれたのだが、『バイキング』の本番中、その下りを見た坂上忍や、おぎやはぎの矢作兼らは「岡副! しっかりしろ!」「もっと手を上げてもらわないと見えないじゃないか!」と、おかんむりだった。
いや、岡副は頑張ったと私は思う。もしあの場に芸能リポーターらが居たとしたら、指輪の質問はとっくに彼らの口から出ていたと思われる。
が、周りはスポーツ記者ばかり。日ごろから、情報やバラエティーを制作する局とスポーツ局には深い溝があり、リオオリンピックとパラリンピックを終えたばかりのいまのタイミングでは、その溝を岡副もわかりすぎるぐらい、わかっていたのではないか。
テレビ局では、ワイドショーやバラエティーは「おちゃらけ」で、スポーツは「神聖」という概念が根強くあるし、スポーツ紙でも同様だそうだ。