中村橋之助(51)と京都の芸妓・市さよの不倫が発覚したが、このような話は歌舞伎界では珍しいことではない。市川海老蔵(38)や片岡愛之助(44)らも過去、数多くの浮名を流している。一般社会であれば「不倫」「隠し子」などは、社会的に抹殺されかねない大問題だが、歌舞伎の世界では「日常」なのだ。
梨園関係者は彼らの言動は「仕方がないこと」と話す。
「歌舞伎役者は幼い頃から家を継ぐために遊ぶ時間もなく稽古漬けの日々を送り、精神的にも肉体的にも追い詰められる。それを発散させるかのように13~14歳ぐらいになると師匠である父や贔屓筋に連れられて芸者や玄人に筆おろししてもらいにいく。色恋におおらかになる素地があるんです」
著書に『歌舞伎 血と家と藝』がある作家の中川右介氏も続ける。
「周囲のほとんどが親戚の梨園では、師匠である父親ほか、祖父も、伯父も、誰もが複数の女性と関係しているのを間近で見て育つ。『何が悪いの?』と思うのは当然です」
だが、そんな男たちを家で待ち続ける梨園の妻たちは辛い思いをしているのではないか。
「梨園の妻は耐えなければなりません。出ていった人は皆、我慢ができなかった人です。表舞台で活躍していた竹内結子や近藤サトが早々に離婚したのは、この梨園のしきたりが理解できなかったからでしょう。
そもそも役者の地位が上がり“セレブ”になり、妻に芸能人を迎えたりするようになったのは戦後のことで、戦前までの梨園の妻は花柳界の女性がほとんど。だから夫の外での“遊び”を気にする奥さんなどいなかった」(前出・梨園関係者)