政治家の金銭スキャンダルから企業の不祥事、果ては宗教団体の追及まで。日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の独自ネタは実に多い。“タブーなき”赤旗のスクープ史を振り返る。
●「田中金脈」追及の嚆矢
「田中角栄氏の秘書グループらが 奇怪な河川敷買い占め」(日曜版1966年10月23日号)
自民党幹事長だった田中角栄氏が、関連企業を使い信濃川河川敷99万平方メートルを買い占めている事実を報じた。立花隆氏の「田中角栄研究」より8年早く、後に続く角栄金脈の追及の嚆矢となった。
●“学会タブー”も関係なし
「公明党 言論・出版に悪質な圧力 田中(自民)幹事長を仲介に」(1969年12月17日)
創価学会批判本の出版中止を求める公明党、創価学会による脅迫・妨害行為を赤旗が報道。創価学会がタブー視されていた時期に他紙とは一線を画すスクープとなった。
●世論を動かした「偽装請負」問題
「極秘資料入手 ピンハネ月収の28% 大企業が頼るクリスタル系請負会社の非情」(日曜版2004年10月10日号)
「偽装請負」問題は、赤旗は労働組合からの情報提供などを受けて積極的に追及。キヤノン、トヨタ、日立製作所などの大企業が支払う「請負料」とピンハネの実態をスクープした。
● 安倍内閣の現職大臣に大打撃
「家賃ゼロの衆参議員会館に多額の『事務所費』支出」(2007年1月3日)
第1次安倍政権当時、赤旗が国会議員の政治資金収支報告書を独自に調査したところ、伊吹文明文科相や松岡利勝農水相ら複数の閣僚らが、家賃ゼロの議員会館に数千万円もの事務所費を計上していた事実が判明した。