大きな反響をよんだ40代独身女性の本音に迫るこのシリーズも、今回で最終回を迎える。生涯未婚率が高まる中、平成22年度の国勢調査結果によると、40代独身女性でその後の10年間に結婚した人は、たったの「1%弱」。一方で、いま40代の独身女性の30%強が、「結婚願望がある」と答えている(※)。40代独身女性は結婚を、したくなかったのか、できなかったのか、これからするのか。理想と現実のはざまに揺れる女たちのそれぞれの事情。第5回は、いまだ恋愛を謳歌する「彩子の場合」を届けする。(※明治安田生活福祉研究所「20~40代の恋愛と結婚」より)
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■40歳、埼玉県出身、埼玉県在住、アパレル勤務、彩子の場合
「このシリーズを読ませてもらって、みんな色々あるんだなぁと思いました。同棲相手にフラれたり、親が倒れたり、愛人が病気になったり……。40過ぎて独身であるからには、“何かある”、ってことなんですかねぇ。でも、残念ながら、私には、何にもないんですよ(笑)」
ハイブランドの販売員として働く彩子とは、新宿三丁目のワインバーで待ち合わせをした。飲食店がひしめく飲み屋街の活気の中にあって、彩子は実年齢より若く見える。まず、彩子が発した「何もない」が気になった。どういうことか?
「結婚願望はあるんです、私も結婚、したいんですけど、できないのは、メンクイだから……と、友人には言われます。自分でも認めざるをえないですね。だから、何かアクシデントがあったとかではないんですよ。ただ、いわゆるイケメンが好きというよりは、自分の好みの顔と雰囲気があって、そうじゃない人とは恋愛できない、っていうだけなんですけどね。反対にいえば、カッコよければ誰でもいい、ってわけじゃないんです。たとえばキムタクとか福山雅治は好みじゃない」
そんな彩子の好みは、V6の三宅健だという。
「ちょっと古いかな(笑)。テレビをあまり見ないから、今の俳優さんで言うと誰かがわからなくて。ああいう、可愛い系が好みなんですよ。あ、これ重要なんですけど、顔だけじゃなくて、服装とか身体つきを入れた全体の雰囲気が重要。三宅君の顔でも、デブでは、ダメなんです。私の恋愛遍歴を知る友人には、『彩子はぶれない』って言われます。過去の男は、みんな外見が似ているから」
ということはつまり、三宅健似の男と付き合ってきたということか。ではなぜ結婚に至らなかったのだろうか。
「まず顔で選ぶから、いざ付き合うと、話が全然合わなかったり、他に彼女がいたり、暴力を振るったり……。結婚に行き着く相手には出会えなかったんです。見る目がなかったんでしょうね。だからといって、ときめかない相手とは付き合えなんですよ。朝起きたとき、好みじゃない顔が隣に寝てたら、ぞっとしませんか? そんな私から見たら、収入や学歴で男を選べる人が羨ましい。カッコいい男より、収入の高い男の方が、世の中には多い気がするから」