欧州初となる慰安婦像の設置計画がすんでのところで阻止された。韓国・水原市は姉妹都市の独・フライブルク市での慰安婦像設置を目指し、今年5月に共同設置を提案していた。フライブルク市長は一旦は合意し、年内に設置される予定だったが、これに対し日本側の姉妹都市である愛媛県松山市が懸念を伝えたところ、白紙撤回となった。韓国メディアはこの件を一斉に報じ、「日本側の妨害」「日本からの圧力」があったと大批判を展開している。
韓国系反日団体はこれまで、「日本が慰安婦を強制連行した」という、事実と異なる情報の拡散とセットで、慰安婦像の設置運動を世界的に展開してきた。その像は小学生のような容姿であり、「日本が年端もいかぬ少女を性奴隷にした」とイメージさせるような露骨な印象操作だ。
今回、そのような韓国側の「歴史修正」が阻止できたことはひとまず朗報だが、それで安堵はできない。昨年末の慰安婦に関する日韓合意以降も、世界中で反日団体による慰安婦像設置計画が進行しているからだ。
豪・シドニーでは8月に同国初の慰安婦像が設置された。韓国人会館で除幕式が行われ、現在はアッシュフィールド合同教会に移されている。同教会の牧師で人権活動家のビル・クルス氏はメディアの取材に対して「37台の防犯カメラが敷地内を守っている」と語り、まるで日本側が強引に慰安婦像を撤去するなど、妨害工作を展開するかのようないいぶりだった。
豪州では、過去にもシドニー近郊のストラスフィールド市議会で、同市の中韓系住民の働きかけを受けて慰安婦像の設置検討が始まったことがある。このときは現地在住の日本人たちが中心となって議員や住民を説得、阻止に成功した。だが、反日団体は公共の場での設置が難しいとわかると民間の土地に設置する作戦に変更し、慰安婦像の設置に成功したのだ。