10月の新ドラマが続々とスタートしているが、9月から始まったインパクト大のNHKのドラマが話題を集めている。『隠れ菊』は料亭に嫁いだ女将(観月ありさ)が、いきなりの離婚通告、料亭の倒産に多額負債、そして、夫の愛人との複雑な関係など、波乱に満ちた人生を描く。昼ドラ顔負けのドロドロした愛憎劇&過激な台詞は見どころ満載。コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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ラブコメもいい。ミステリーもいい。でも、やっぱり濃厚な愛憎劇は面白い。というわけで、毎回すごい展開になっているのが、NHKプレミアムドラマ『隠れ菊』である。
主人公の通子(観月ありさ)は浜松の名料亭「花ずみ」の跡取り息子で板前の旬平(前川泰之)と結婚。17年間、家事と子育てに専念していた。ところが姑で女将のキク(松原智恵子)が死去した途端、旬平の六年越しの愛人という酒造メーカーの女社長多衣(緒川たまき)から離婚届を突きつけられる。だが、開き直った通子もなかなかの強者。出した条件は「私を女将にしてくれたら、離婚する」。
しかし、借金まみれの「花ずみ」は倒産。通子は離婚。ふたりの子を抱えてどうするのかと思ったら、なんと多衣に借金して「花ずみ」の名で小さな料理屋を開店し、女将となって、板長に元夫を雇うのだ。
わざとややこしくしてんのかと思うような三角関係だが、事態はもっと複雑に。「花ずみ」の従業員・千秋(渡辺典子)が店に入った予約を勝手にキャンセルしていたことが発覚。千秋はライバル料亭の板長前田(木下ほうか)の愛人だったのだ。さらに「花ずみ」に多衣が現れ、カウンター越しにバチバチと通子にジェラシー光線を照射している最中、店にワケアリそうな熟女鶴代(烏丸せつこ)が現れる。「花ずみ」の先代の愛人だったという鶴代は、かつての店に比べると「洒落たウサギ小屋」などと嫌味を言った挙句、キクにひどい目にあわされた仕返しにと、通子がキクから受け継いだ着物にしょうゆをぶっかけた! ひえーっ。