安保法の成立や北朝鮮のミサイル発射など日本の安全保障が転換期を迎えている中で稲田朋美氏が防衛大臣に就任した。初代防衛大臣を務めた“防衛族のドン”、久間章生氏(75)の目にはどう映ったのか。
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去年、安保法制をめぐって大きな騒ぎとなりましたが、私自身は安保法制に賛成です。当然やるべきことをやったと評価しています。
たとえて言えば、友達と2人で歩いていたとき、暴漢が友達を襲ってきた。自分は今やられていないけれど、相手が頭を殴られていたら、次は自分だと思うわけでしょう。そいつがやられているうちに、一緒に戦うのは当たり前でしょう。
ただ、あのとき政府はホルムズ海峡の機雷掃海についても集団的自衛権だと言った。ちょっとこれは行き過ぎでしょう。地球の裏側までカバーして、集団的自衛権と言うのは、自衛権の範囲がオーバーに見られてしまう可能性がある。
たまたま創価学会会長は私の同級生の原田(稔)君。その原田君と会ったとき、「公明党の言っている主張は創価学会の意向を反映しているか知らんけど、あれは正しいから、彼らに、元気で頑張ってよと伝えてよ」と言ったこともありました。
もう一つ、安保法案の議論の中では、自衛権と軍事同盟がごっちゃに議論されていました。
日米安保条約というのは何か。日本が他国から攻撃されれば、アメリカは日本を助けるために参戦する。アメリカにとって日米安保条約は軍事同盟です。が、アメリカが他国から攻められても日本は戦闘に参加はしない。日本にとって日米安保条約は軍事同盟ではない。このように日米安保条約は片務条約なのです。