大正12(1923)年生まれ、現在92才の作家・佐藤愛子さんのエッセイ集『九十歳。何がめでたい』が15万部を超えるベストセラーになっている。人の子育てに対するネット上の批判を《いちいちうるせえ》と一刀両断し、そんな社会の風潮を《イチャモンつけの元祖である私でさえただ呆気にとられるばかり》とピシャリ。甘ったれた悩み相談には《私にいわせれば「怠け者」だ》《ふりかかった不幸災難は、自分の力でふり払うのが人生修行というものだ》と喝破する。鋭く的を射た“怒りの金言”が受けているのだ。
そんな佐藤さんは、スマホについても一刀両断だ。メールの送受信からネットストアでの商品の注文などもでき、私たちの生活には今や欠くことのできないスマホ。佐藤さんは著書の中で、そんなスマホの普及によって、《日本人総アホの時代がくる》と嘆いている。もはや誰も気にも留めない、スーパーマーケットのレジに「NO レジ袋」のカードが置かれ、レジ係も客も黙々と会計する姿には《なぜ、「レジ袋はいりません」と声に出してはいけないのだろう》と不気味さを感じている。
女性セブンが取材したオーバー80の著名人からも、そうした今の時代への違和感が次々に聞かれた。服飾評論家でエッセイストの市田ひろみさん(84才)は、近頃の若者の気遣いのなさや言葉の乱れについて疑問を呈する。
「若い人はなかなか『ありがとう』とか『すみません』と言いませんね。ひと言言えば何でもないのに、それが足りません。かと思えば、テレビに顔を出して『元カレ』『元カノ』と言って、性のことまで含めた遍歴を平気で話す。あれ、どういう神経なんでしょう。昔だったら、個々の異性の遍歴を言わないのが当たり前でしたし、マナーとして過去の彼氏彼女のことを話すべきではないと思うんです。今の恋人に対しても失礼じゃないですか」
俳優で作家のノッポさん(82才)は、“世の中の決まり事”を大人が守らなくなっていると指摘する。例えば信号。