9月14日、警視庁捜査二課と世田谷署の合同捜査本部は神奈川県横浜市に住む自営業の中野真紀容疑者(54才)を詐欺容疑の疑いで逮捕した。
被害者は世田谷区在住の会社役員の女性(49才)。被害に遭った時期は2009年11月頃で、被害額は440万円。警視庁によると事件概要はこうだ。
「中野容疑者は被害者女性が、都内の大学附属の私立小学校の入学試験で、不合格となった実子を同校に入学させることを希望していると知るや、“面接の枠が残っています。入学しても金銭的な迷惑をかけるようなことがないと示すためにお金が必要”などと嘘を言い、複数回にわたり被疑者らが管理する預金口座へ、現金合計440万円を振り込ませました」
知人を使って教師役で電話をさせるなど計画的で悪質な犯行だった。エステ関係の会社を経営していたという中野容疑者はいったいどんな暮らしをしていたのか? 横浜市内の自宅は住宅街にある飾り気のない2階建てだった。
「夜8時前後にタクシーで出かけて行くこともあったから夜のお勤めなのかな、とは思っていましたけど、どこにでもいる感じの中年女性で、会えば挨拶もしますし、派手な感じは全然ありません。外車には乗ってらしたけど、相当型落ちしたワゴンタイプでしたしねぇ」(近所住民)
私立小学校へは「うちのパパ(内縁の夫)にパイプがある」とも話していたという中野容疑者。住民らに話を聞くと、20代男性と一緒に住んでいた。若い男に貢いでいたのか、とも思ったが…。
「一緒に暮らしているのは大学生の息子さんです。4年前にあの家を契約したのがその内縁の夫。でもその男性には、別に家庭があって、なかなか別れられないようで…。でも、中野さん母子と彼はうまくやってましたよ。彼は中野さんの外車と同じナンバーの車を持っていますし、もちろん家賃や生活費も面倒見てるようですよ」(中野容疑者の知人)
警視庁によれば、だまし取ったお金の使用用途は借金返済や買い物、ペットや美容費という。
「なんだかんだで2年くらいの間に振り込み回数が90回くらいあり、9500万円ぐらい振り込ませていたようです。ただこれが、今回の被害者だけのものなのか、あるいは複数の被害者がいるのか、また共犯者がいるのかについては捜査中です」(同前)
裏口入学といえば、なべおさみ(77才)となべやかん(46才)父子が1991年に巻き起こした騒動を思い起こす人も多いだろう。