計12年間監督を務めた原辰徳氏に代わり、今年から高橋由伸監督が就任した読売ジャイアンツ。序盤戦こそ首位に立つ場面もあったものの、6月5日に広島に譲って以降、一度も奪回することなく、2位でシーズンを終えた。
選手引退、即監督就任という長嶋茂雄氏以来となる異例の人事の中、阿部慎之助や村田修一など下り坂に差し掛かりそうなベテランの多いチームを何とか2位に踏みとどまらせた功績を称える声もある一方で、あまり動かない采配ついての批判もある。野球担当記者はこう語る。
「1年目で、結論を出すのは早急でしょう。たしかに代走のスペシャリストである鈴木尚広を出し惜しみして、結局使えずに敗れた試合など、前任者の原監督と比べて消極的な采配も見られました。しかし、クライマックスシリーズではシーズン中に1度もなかった坂本勇人の1番起用、守護神を澤村拓一からマシソンに替えるなど積極的に動いてきた。頭の良い高橋監督のことですから、今年の経験を来年に生かすはずです」
長嶋茂雄氏や原辰徳氏とは対照的な、高橋監督のベンチでの無表情も話題になった。
「巨人の監督には、伝統的にスター性が求められる。スターは明るい存在とも言い換えられるでしょう。もちろんチームが勝てば問題ないのですが、負けるとどうしても暗いと捉えられてしまう。そもそも、1998年の入団時、ドラフト前はヤクルト入り希望と伝えられながら、土壇場で巨人を逆指名した入団経緯からしても、高橋監督にはどこか陰を感じさせる部分もある。同じ無愛想でも落合博満氏くらい徹底していれば1つの形になるが、高橋監督本人が暗いと言われることを気にしているようです」(同前)
巨人戦のナイター中継が毎試合放送され、視聴率20%を超えていた時代も今は昔。地上波ナイター中継は年数試合で、視聴率は1ケタばかり。北海道や広島では地元チームが数字を稼いでいるだけに、余計に巨人の関東地区での低視聴率が目についてしまう。クライマックスシリーズファーストステージでは、本拠地・東京ドームで戦ったにもかかわらず、巨人ファンよりDeNAファンの勢いが上回っているようにも見えた。