コラムニストでデイトレーダーの木村和久氏が、近頃気になるニュースをピックアップし独自の視点で読み解きます。今回は、国内男子プロゴルフツアーの現状を考察。
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今年の日本オープンゴルフ選手権は、例年にない盛り上がりを見せ、入場者数も倍増しました。ここ数年、男子プロゴルフの人気は低迷し、試合数、入場者数、視聴率などは、全くふるわなかったのです。2013年の茨城ゴルフ倶楽部で行われた日本オープンは、5日間(雨で1日延びた)トータルの入場者数が1万人以下という、最低記録を更新しました。
これはいかんと奮起したのか、今年の日本オープンは、予選初日からギャラリーが1万人越えとなりました。最終日は1万5000人に迫り、4日間の総入場者数4万5000人越えは、歴代2位の快挙です。
入場者数が好調だった要因は、なんといっても松山英樹や石川遼、アダム・スコットなどの、人気選手の参加です。しかも期待通り、注目選手が白熱のデッドヒートを繰り広げ、最後まで手に汗握る展開となりました。
やっと6~7年前の勢いに戻ったのはいいですが、人気選手の活躍の場は主にアメリカです。海外組が日本を去れば、また低迷ツアーに逆戻りです。東京オリンピックに向けてはもちろん、10年、20年先を見据えた、ゴルフ振興プランを練り上げないと、男子ゴルフツアーはジリ貧のまま…の可能性が高いといえます。
そこで、次なるプランを提案します。
◆松山英樹的ジュニア育成計画
野球・サッカーは、海外で活躍する選手が10人以上いながら、日本のプロリーグも盛況です。つまり、人材豊富なんです。これが男子ゴルフだと、世界クラスは松山英樹選手のみ。理想をいえば、松山選手クラスが10人は欲しい。そういう人材育成プランを構築しないと。
たとえば、テニスの錦織圭選手がソニーから受けた奨学金のシステム。これをゴルフに応用できないでしょうか。トーナメントを主催している企業が、これぞというジュニアゴルファーにお金をかけ、渡米させて一流の技を学ばせるというものです。
ただ、ソニーの奨学金は、ほか何人かが貰っていますが、1年ごとにクリア基準があり、それを全部達成したのは錦織選手のみだとか。
そうなると資金面より、才能のあるジュニア育成が先ですね。ジュニアといえば、石川遼選手を輩出した、杉並学園の元監督・吉岡徹治さん(アジアジュニアゴルフ協会代表理事)に以前、お話をうかがったことがあります。その時、言っていたのは、こんなことです。