公共の場で、突然泣きだした赤ちゃんにうろたえているお母さんにどう接すればいいのか。NHKの朝の番組で出たアイデアがアプリになって登場した。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が紹介する。
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ああ、気持ちは十分にわかるだけに、どうにかしてあげたい。せめて腹を立てていないことだけでも伝えたいけど、どうしていいかわからない。大人には、しばしばそういうシチュエーションがあります。たとえば、バスや電車や飛行機で急に赤ん坊が泣き出したとき。その子を連れている母親や父親に「気にしてませんよ」「大丈夫ですよ」という気持ちを伝えたいけど、いきなりそう話しかけるのも勇気がいります。
そんな大人の深刻な悩みに、いのっちこと「V6」の井ノ原快彦がひとつの解決案を提示してくれました。司会を務めている『あさイチ』(NHK総合)では、10月19日の放送で「気をつかいすぎ?社会」を特集。マタニティマークを付けづらい気持ちやママ友とのお付き合いにおける細かな気づかい、去年の暮れにここでも取り上げた香川県の「うどんかるた」をめぐる問題などが取り上げられました。
番組の中で、いのっちが提案したのが「ひよこボタン」です。飛行機や電車に「ひよこボタン」を設置しておいて、子どもが泣き出したときにみんなでそのボタンを押すと、あちこちから「ピヨピヨ、ピヨピヨ」と鳴り出すというもの。その音には「ぜんぜん大丈夫よ」「どんどん泣きなさい。子どもは泣くのが仕事ですよ」というメッセージが込められています。いのっちは、ちょっと冗談めかしながらもけっこう真剣な面持ちで、そんなボタンを作ったらいいんじゃないかというアイディアを披露しました。
共演の有働由美子アナや柳澤秀夫アナらも「それはいい!」と大絶賛。乗り物に取り付けなくても、持ち運びできるものがあってもいいんじゃないかという話が出ました。たしかに、技術的はシンプルな話なのですぐにでも実現可能です。
と思ったら、すぐに実現しました! すごいぞ21世紀! 放送があった当日、アンドロイドのスマホでアプリをダウロードできる「Google play」に、いのっちの提案に応える形で二種類の「ひよこボタン」アプリがお目見え。片方は「ひよこボタン」(提供元:gaomar)、もう片方は「子育てママを気遣う ひよこボタン」(提供元:tsutomu satou)という名前で、どちらも無料でダウンロードできます。たぶん有志が勝手に作ったものですが、いのっち側もNHKも、喜びこそすれ文句をつける気持ちはさらさらないでしょう。