秋競馬も本番を迎えているが、次代スター候補の動向も見逃せない。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、2歳馬の可能性についてお届けする。
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天皇賞(秋)の週。秋の日差しの中、パドックの雰囲気がとりわけ晴れやかです。
一方、グレードの差は大きいものの、捨てがたいのが新馬戦のパドック。GIレースとは違った初々しさがあり、どこか小学校の運動会のような賑やかさがある。関係者の(もちろん当の馬も)期待と不安が入り交じっていて、いい緊張感が漂っています。この時期は来春のクラシックを目指す逸材が毎週のようにデビューしています。さらに新馬戦でその片鱗を見せた馬たちが、2戦目でどんなパフォーマンスを見せるかも注目されます。
天皇賞と同じ週の萩S(京都1800メートル)にヴァナヘイムが出走を予定しています(10月18日時点)。8月の2歳新馬戦(小倉1800メートル、浜中俊騎乗)を1番人気で勝ち、勇躍オープンに駒を進めます。
ヴァナヘイムは父キングカメハメハ、母グルヴェイグ、母の父がディープインパクト、そして母の母がエアグルーヴという良血中の良血です。
とはいえ、キズモノにならないように大事に育てるという意識はありません。創り上げるというより。素質を確認するというイメージです。