「大きな理由のひとつは、冒険しなくて済むから。例えば、ワイドショー番組の視聴者は、視聴心理として『その週にあった出来事を知りたい』という思いが前提としてあるため、裏で同じような番組がやっていると、『つまみ食い』で見てみようという気が働くのです。つまり全く違うジャンルの番組をぶつけるより、少し形を変えれば一定のお客さんが見込めるというわけなのです」(テレビ関係者)
もちろん、もともと放送年数が経って経年劣化していく番組に対し、後発の番組のほうが新しく見えるということもるだろう。こうして結果的に視聴者に自然な形で比較させ、審判をゆだねさせ、戦いを有利に持ち込むという狙いがあるのだという。
こうしたテレビ局の編成戦略によって僅差で争われるようになった「木曜夜7時」。今後はどんな展開を見せるのだろうか。
「『ハナタカ』は往年の人気番組『トリビアの泉』(フジテレビ系)を彷彿とさせる豆知識もの。ネタが枯渇していくのは否めない。また『得する人損する人』は現在、無名あるいは売れない若手芸人を起用し、例えば万能家事芸人の『家事えもん』や、パン作りの上手い『バタコやん』といった家事や料理に特化したキャラクターを生み出しています。この形でどこまで飽きられずに続けられるかがカギになってきます。
その中で一番パワーを秘めているのはやはり『プレバト!』でしょう。梅沢富美男、東国原英夫、さらにはFUJIWARA・藤本敏史といった芸能人の意外な才能を発掘しているだけに、今後も『爪を隠している』タレントがまだ出てくる可能性は大いにあります。さらに講師である毒舌の女流俳人・夏井いつき先生の人気も高まっていますが、こうしたタレント性のある講師陣たちがどんどん登場してくると、両輪が絡み合い、長寿番組化していくでしょう」(前出の関係者)
いずれにしても、またテレビを見る楽しみが増えた。(芸能ライター・飯山みつる)