鳥取県中部地震が起きた日の夜、本誌・週刊ポストの愛読者だという男性(46歳)から、こんな電話が寄せられた。
「また、ピンポイントで的中していたので、正直、背筋が凍りました。本当に毎回当たりますね……」
これまで本誌では抜群の的中率で読者を驚かせてきた村井俊治・東大名誉教授の「MEGA地震予測」を定期的に掲載してきた。この予測が「恐ろしいほど当たる」と改めて注目を集めている。
約3か月前の前回記事(8月1日発売号)では、「鳥取・島根」を新たな警戒ゾーンに加えた上で、「鳥取・島根がおかしい」と警告を発していた。また、鳥取・島根には〈活断層がなく、大地震は起こりにくい地域と見られてきましたが、私はそうは思わない〉とまで言及していた。
これだけではない。村井氏は熊本地震の約3か月前の記事(1月4日発売号)でも、「九州南部」を新たな警戒ゾーンとし、熊本に見られた顕著な異常に言及していた。今年に入ってからの予測の精度の高さは“偶然”では片付けられない。
それでも、村井氏は「日時を正確に提示できていませんし、私の予測はまだまだ発展途上の不完全なものです。だから、熊本や鳥取の地震予測は的中というレベルではない」と、慎重な姿勢を崩さない。
村井氏の「MEGA地震予測」について説明しておこう。この予測は従来の地震学の予測法とは全く異なる。ベースになっているのが、全国1300か所に設置された国土地理院の「電子基準点」のGPSデータだ。
そのデータから、地表のわずかな動きを捉え、1週間ごとの基準点の上下動による「異常変動」、地表の長期的な「隆起・沈降」(上下動)、地表が東西南北のどの方向に動いているかの「水平方向の動き」の3つの指標を主に分析し、総合的に予測している。