さかのぼること1か月前の10月2日、群馬県前橋市の側溝に白いヘビがいるのを地元住民が発見。駆けつけた警察官によって、「落とし物」として処理された。
それからわずか2週間後、今度は宮城県白石市に、長さ15m、幅1mの円柱のバルーンが落ちてきた。中には北朝鮮の朝鮮労働党委員長・金正恩氏(32才)の写真と北朝鮮の批判、そしてなぜか『辛ラーメン』が1パック。これも「落とし物」として警察へ──。
これらの風変わりな“落とし物”はニュースになったが、日々届けられる膨大な落とし物は人目に触れず淡々と処理されていく。その数、実に1日5万点以上。どんなものがどう落とされ、どんな道をたどって落とし主に届くのか。あるいは届かないならば最後はどうなるのか。
年々増えゆく、膨大な「落とし物」を追うと見えてきたのは──。
◆白いヘビとバルーン。落とし物の境界線
「白いヘビは幸運をもたらすといわれているので、事件事故が1件でも減ればいいですね。地域の安全や安心が守られるといいですね」
そう言って笑うのは、白いヘビを「落とし物」として処理した前橋東署の署員。最初の通報は「駆除依頼」だったそうだ。
「住民から“生きたヘビがいるので駆除してほしい”と通報があり、署員2名が現場に駆けつけ、紙袋を使って捕まえました。もちろんヘビを落とし物扱いにするなんてこれが初めて。山間部に行けばアオダイショウとかシマヘビとか、珍しいことではありませんから。これまでもヘビに関する通報はありましたが、それは例えば“自宅にヘビがいるから捕獲してほしい”といった内容です。そういう場合はヘビを捕獲して、排除する対応をしています。
しかし今回は珍しい“白いヘビ”だったからペットの可能性があるということで、拾得物として扱いました」(前出・前橋東署署員)