来年3月までの半年間のカリキュラムが組まれている小池政治塾の前半の学習テーマは、築地移転、五輪見直しなどの都政改革だ。その都政改革の追及で、官邸の意をくんだ都議会が一斉に反撃に出る構えだ。自民党と共産党はそろって小池氏の最大のブレーンで「都政改革本部」特別顧問の上山信一・慶応大教授を追及の標的に定めつつある。都政記者が語る。
「上山顧問には2つの大きな失策がある。五輪調査チームのリーダーである上山氏は村井嘉浩・宮城県知事と同郷で、ボート競技会場を宮城に持っていこうと小池・村井会談を根回しした。自民党も共産党もそのやり方を“まさにブラックボックス”と批判している。
もう一つは上山氏の五輪調査チームがIOCのバッハ会長に提出した資料に、仮設施設の整備費1500億円を都が負担すると書かれていた問題。そんな支出を議会は承認していない。上山氏の独走とみた都議会が参考人招致を要求し、不十分なら百条委員会にかけて辞任に追い込むシナリオもありうる」
都政改革批判を高めてイメージダウンさせ、塾生の熱をいっぺんに冷ましてしまおうという作戦である。
※週刊ポスト2016年11月11日号