好調続く日本テレビ。その中でも高視聴率番組が並ぶのが日曜日だ。いわば”サンデー日テレ”ともいうべき切れ目ない「番組たすきリレー」だ。その中でも特に大人気なのが『THE !鉄腕!!DASH』と『世界の果てまでイッテQ!』。いずれの視聴率も毎週15%は堅い日テレの二枚看板だ。
両番組で存在感を放つのが、ジャニーズ事務所所属のアイドルタレント。『DASH』ではTOKIOの5人、そして『イッテQ』では若手グループNEWSの手越祐也が芸人顔負けの体当たりチャレンジでお茶の間を沸かせている。その手越、ある回では、肌色のパンツ一丁とニップレスだけの状態でボディーペイントを施し、話題を集めた。
だが日テレの番組ではこれまでも、例えば嵐が北海道から「流氷」に乗って東京までたどり着けるか検証していたし、6人時代のKAT-TUNもサッカーのPKで、6人連続ゴールを決めれば成功だが、1人でもゴールを外したら連帯責任で全員の体に電流を流されるなど、同事務所のタレントがとにかく体を張ってきた。そんな連綿と受け継がれる体当たりの伝統には、どういった背景があるのだろうか。
それはまずこの局が『元祖どっきりカメラ』『アメリカ横断ウルトラクイズ』『進め!電波少年』『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などロケバラエティーのノウハウを持ち、また「面白がり方」を知っていたことも大きいだろう。
さらに他局が先に作っていたジャニーズタレント起用の番組が、スタジオ収録を基本とするものだったため、差別化を図るという狙いも見える。代表的なのがフジテレビのSMAPの『SMAP×SMAP』、Kinki Kidsの『LOVELOVEあいしてる』などだ。つまり日テレでジャニーズを使うなら、局お得意のロケもので、「体を張らせて名前を売る」戦法をとったのだ。
それが見事に結実したのが『鉄腕DASH』。深夜にひっそりと始まった30分番組は3年後にゴールデンに昇格。TOKIOを全国区へと押し上げた。
深夜時代、こんな企画があった。「ロッククライミングVS登山~どちらが早くたどり着けるか」。標高1700mの山を一方は垂直の崖をよじ登り、もう一方は遠回りして登山道を歩くというものだ。ロッククライミングは長瀬智也、登山道は山口達也が挑戦。結果はというと…登山道を歩いた達也が3時間早く山頂に到着。だが見ごたえがあったのは長瀬の頑張り。崖の途中で手が動かず、そのまま停止。「上がれない、手が動かないんだよ!!」と絶叫する。それでも歯を食いしばって登っていく姿は感動的ですらあった。
その系譜は嵐に受け継がれる。5人は今でこそ『嵐にしやがれ』でトークを繰り広げているが、15年ほど前は深夜の時間帯でさまざまな実験番組を担当していた。