馬と騎手には相性があるといわれる。同じ騎手が乗り続ける馬もいれば、頻繁に変わる馬もいる。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、馬と騎手の相性の話題から、騎手のタイプについてお届けする。
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角居厩舎でエリザベス女王杯といえばラキシス。昨年まで3年連続出走、2014年にはヌーヴォレコルトをクビ差で下して勝ちました。その時の鞍上は川田将雅騎手。新馬戦も川田騎手の手綱でしたが17走で7人の騎手が跨がっています。
鞍上がほぼ替わらない馬もいれば、頻繁に乗り替わることもある。今回は馬と騎手の相性のお話です。
たとえばフルーキーは22走で11人が乗っている。一方、GI2勝のトールポピーはほぼ池添謙一騎手でした。ディアデラマドレも5走目からずっと藤岡康太騎手。デニムアンドルビーはいま浜中俊騎手のお手馬ですが、オークスや秋華賞は内田博幸騎手の手綱でした。結果を出してくれたジョッキーには、乗り続けてもらうことになる。エアハリファは関東所属の三浦皇成騎手。巧く乗りこなしています。
「この馬には、この騎手」という馬の作り方はしません。結果が芳しくなければ鞍上を替えるということもありません。ただ、騎手の技術の問題ではなく、馬との相性を考えることはあります。
馬には鞍上が分かる。背中の当たり具合やバランスの取り方で「○○騎手だ」と。当然、乗り替わりも分かるはずです。馬にとっては、自分の重心と走りの足並みを揃えてくれる騎手がいい。逆に、バランスが合わないと馬が走りを整えることになって余計なストレスがかかります。その点が相性かもしれません。