アイドルでありながら、笑顔ではなく、困り顔がトレードマーク。素っ気ない塩対応でブレイクした“ぱるる”こと島崎遥香(22才)は、年内でAKB48を卒業する。卒業後は女優業を中心に活動していくつもりだと公表しており、現在、主演ドラマ『警視庁 ナシゴレン課』(テレビ朝日系)でデカ長を演じている。同ドラマでの演技を一部のファンに“ダメ出し”され「本当に私、ボロクソです。申し訳ありません」などとツイッターでつぶやくなど、演技力の課題も指摘されているが、果たして女優として成功できるのか? アイドル評論家の中森明夫さんが分析する。
* * *
今、ぱるるを応援しているのは主に男性ファンが多いと思いますが、これから女優として活躍するには女性ファンの支持を獲得できるかがカギになります。現在、活躍している女優を見ると、石原さとみさんしかり、新垣結衣さんしかり、女性にも人気がある人ばかりです。OL役などで同世代の働く女性たちに共感を得ている人が活躍していますので、そういった波にうまく乗っていくことが大事でしょう。
彼女の演技をAKB48卒業メンバーと比べてみると、大島優子のような演技派でもなければ、前田敦子のような個性派でもないのですが、ナチュラルな演技が光ってるんですよね。宮藤官九郎さん脚本の『ゆとりですがなにか』は独特の世界観のドラマでしたが、ぱるるはその世界に溶け込んで存在感を発揮していました。それは彼女が、ナチュラル=天然の輝きを持つからじゃないでしょうか。女優転身後は、ほかのAKB48卒業メンバーがそうであったように、”元AKBのぱるる”というふうに見られるかもしれませんが、彼女の個性と天然の輝きが一般に浸透すれば払拭できるでしょう。
もうひとつ、成功のポイントは、女優一本に絞ることじゃないですか。タレントや歌手と並行する道もありますが、それでは成功するチャンスは少なくなるでしょう。ぱるるは自分でも「ポンコツ」と言っているほど、歌にもダンスにもそれほどキレがないとよく指摘されています。不器用だと言われる彼女は、無骨に女優業を努力するほうが向いているんじゃないでしょうか。歌やダンスも抜群にうまかった大島優子でさえ、卒業後は、女優に絞って活動しているわけですから。