女子ゴルフ日本ツアーは、イ・ボミ、申ジエら韓国勢が賞金ランキング上位を席巻。日本人の賞金女王は2013年度以来、生まれていない。その構図を一変させそうなのが、“女子高生ゴルファー”たちだ。その実力は折り紙付きなのだが、ちょっと戸惑ってしまう「名前」の持ち主ばかりなのである。
今年、プロのトーナメントで活躍著しいのが、2000年前後に生まれた10代ジュニアゴルファーたちだ。ゴルフジャーナリストの菅野徳雄氏はこういう。
「この世代が強い理由は複数あります。日本女子プロゴルフ協会がアマチュアにプロ大会への門戸を開くようになって経験を積める場が増えましたし、単位制の高校が増えて大会に参加しやすい環境も生まれました。
また、アマチュアのナショナルチームのメンバーに選ばれると専属コーチがつく上に、メンタル面でも専門家の指導を受けられます。日本人の女子ゴルフでは、今や高校生の世代が最も強いといっていいでしょう」
実際、毎週のようにプロのトーナメントでアマチュアの女子高生ゴルファーが上位に絡んでいる。
10月末の「樋口久子三菱電機レディス」では、1999年生まれの稲見萌寧(17)が8位タイに入ってベストアマとなった。日本人では3番目のスコアだから大したものだが、問題はその名前である。
「萌寧」──。はて、なんと読むのか。
正解は「もね」である。
『睡蓮』などの作品で知られるフランスの印象派画家・モネが由来かと思いきや、ゴルフ担当記者はこう説明する。
「『もね』という名前は、“有名になった時に世界中の人が覚えやすい響きにしたい”と考えて母親がつけたそうです。ちなみに画家のモネは関係ないとのことです。本人は『萌寧』という漢字をあてた理由までは知りませんでしたけど(笑い)」
本当に「Mone」という表記が海外で読みやすいかはさておき、この年代の選手たちの名前はとにかく一風変わっている。