かつての補聴器は使いにくさを訴える人が多かったが、最先端の補聴器はストレスを減らす工夫がこらされている。その上、オシャレなデザインで見た目にこだわったものも増えている。
「補聴器には『耳穴型』、『耳かけ型』、『ポケット型』、『骨伝導型』の4つのタイプがあり、補聴器店で聞こえにくい周波数帯や音を測定して難聴の度合いを確認したうえで、好みで選んでもらいます」
そう語るのは、リオネットセンター大宮店の認定補聴器技能者、福澤理さんだ。目立ちにくいという点では耳穴型に軍配があがるが、同型は電池交換や装着そのものに不便を感じることも少なくない。
現在、市場の約6割を占めるのは「耳かけ型」だ。小型化が進み「重量1~2グラムの、装着していてもほとんど気づかれない超小型が増えてきた」(福澤さん)という。
居酒屋などガヤガヤした場所で使用する場合、通常の補聴器は雑音など全ての音を拾ってしまう。それゆえに、聞きたい音以外のノイズになやまされ、頭痛や耳鳴りを訴える人が多かった。
たとえば、「オーティコン オープン」(オーティコン補聴器)は補聴器でありながらコンピューターさながらのCPUを搭載。周囲360度の音の状態を毎秒100回以上分析することで、ユーザーが聞きたい音声とノイズを区分することができる。まさにスマート(賢い)補聴器である。
賢さはこれだけに留まらない。「オーティコン オープン」はiPhoneなどスマホと無線で繋がる。これにより、補聴器を取り外さなくても、音量調節などの操作がスマホからできたり、紛失した補聴器をスマホで見つけ出すことができる。メールの受信を知らせる機能もある。