ビジネス

「お客様のお言葉」に現場萎縮 広告業界「珍クレーム」伝説

広告業界はクレームのリスクに戦々恐々(写真:アフロ)

 資生堂の大人女性向けブランド「INTEGRATE」のCMで「25歳からは女の子じゃない」「もうチヤホヤされない」といった女子トークのシーンが一部の人々から「女性差別」などと批判され、放送中止となった。

 同様のケースはここ数年間で何度もある。最近では、水着姿の少女が「養って……」と切ない表情で訴える鹿児島県志布志市のふるさと納税PR動画に批判が殺到。動画は、ふるさと納税の特典である鰻を擬人化したものだったが、ネットで「児童ポルノを連想させる」「女性蔑視」と大炎上し配信停止に追い込まれた。他にも、萌え系巨乳アニメキャラをPRに使った自治体のポスターが「無駄に性欲を喚起する」などとして、掲出中止に追い込まれた例もある。

 資生堂の件はさておき、他はクレームが寄せられるニオイはするだけに、担当者はもう少し炎上リスクを察知すべきだったかもしれない。だが、こうした状況の中、広告制作の現場は萎縮している。広告代理店の営業担当者が語る。

「不妊治療に関連した商品の競合プレゼンをしたところ、クライアントから『不妊に悩む女性は描かないで。子供を産みたくても産めない人を傷つけるかもしれないから』という条件が付けられ表現に難儀しました」

 確かに難題である。広告は本来ユーザーに「伝える」ための表現を考えるものだったはずだが、今は「クレームをつけられない」ことが最重要課題になっている。広告代理店では、法的制約への抵触を判断する法務部署だけでなく、リスク対応の専門部署にも確認をするよう求められているそうだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
「2024年に最もドッキリにかけられたダマされ王」ランキングの王者となったお笑いコンビ「きしたかの」の高野正成さん
《『水ダウ』よりエグい》きしたかの・高野正成が明かす「本当にキレそうだったドッキリ」3000人視聴YouTube生配信で「携帯番号・自宅住所」がガチ流出、電話鳴り止まず
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【20歳の女子大生を15時間300万円で…】男1人に美女が複数…「レーサム」元会長の“薬漬けパーティ”の実態 ラグジュアリーホテルに呼び出され「裸になれ」 〈田中剛、奥本美穂両容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン
国技館
「溜席の着物美人」が相撲ブームで変わりゆく観戦風景をどう見るか語った 「贔屓力士の応援ではなく、勝った力士への拍手を」「相撲観戦には着物姿が一番相応しい」
NEWSポストセブン
(左から)「ガクヅケ」木田さんと「きしたかの」の高野正成さん
《後輩が楽屋泥棒の反響》『水ダウ』“2024年ダマされ王”に輝いたお笑いコンビきしたかの・高野正成が初めて明かした「好感度爆上げドッキリで涙」の意外な真相と代償
NEWSポストセブン
前田亜季と2歳年上の姉・前田愛
《日曜劇場『キャスター』出演》不惑を迎える“元チャイドル”前田亜季が姉・前田愛と「会う度にケンカ」の不仲だった過去
NEWSポストセブン
フィリピン人女性監督が描いた「日本人の孤独死」、主演はリリー・フランキー(©︎「Diamonds in the Sand」Film Partners)
なぜ「孤独死」は日本で起こるのか? フィリピン人女性監督が問いかける日本人的な「仕事中心の価値観」
NEWSポストセブン
timelesz加入後、爆発的な人気を誇る寺西拓人
「ミュージカルの王子様なのです」timelesz・寺西拓人の魅力とこれまでの歩み 山田美保子さんが“追い続けた12年”を振り返る
女性セブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン