「女性の人権への認識を問う」──11月15日付の朝日新聞朝刊にこんな記事が掲載された。記事が掲載されたのは「パブリックエディターから」という欄。慰安婦報道の「吉田証言」、原発報道の「吉田調書」といった一連の誤報問題(*)を受けた改革案の一つで、読者代表であるパブリックエディターが報道を点検し、編集部に改善を求めていくもの。
【*朝日新聞は2014年、慰安婦の強制連行に関する文筆家・吉田清治氏の証言に関する報道、福島第一原発・吉田昌郎所長の聴取記録をもとにした「所長命令に違反、原発撤退」との報道について、ともに誤報だったとして記事を取り消し謝罪した】
今回はその一人である元TBSアナウンサーの小島慶子氏が朝日のある記事についてこう指摘した。
〈朝日新聞は慰安婦報道において、女性の人権について強い問題意識を持って引き続き報じていくと言明しています。しかし身近なセクハラに鈍感な人たちが、戦時下の女性の人権侵害について訴えても何の説得力もありません〉
慰安婦報道という朝日の“急所”まで持ち出して批判するとは、一体どんな記事なのか。
何とそれは、8月7日付朝刊に掲載されたタレント・壇蜜(35)の「人生相談」だった。12歳の女子中学生のお悩みに、壇蜜が答えている。相談の内容はこうだ。