「今はゴルフができる喜びで一杯です。『初心に戻りました』というのはオーバーかもしれませんが、いったんリセットすることができたという感覚です。万全の体調で試合に臨むことが何より大切なのだということを再認識しました」
今年2月、腰を痛めて長期離脱を強いられた石川遼(25)。10月の「CIMBクラシック」で8か月ぶりに米国ツアー復帰を果たした。
復帰を前に、石川は日本で5試合に出場していた。状態を不安視する声も少なからずあったが、7月の初戦「日本プロゴルフ選手権」こそ予選落ちしたものの、2戦目「KBCオーガスタ」で早くも優勝。
続く大会も、2位、3位と優勝争いに絡み、7位に食い込んだ5戦目の「日本オープン」では、優勝した松山英樹と予選ラウンドで同組。大会史上初めて2日間で2万人のギャラリーを集め、人気の高さを見せつけた。
「日本のナショナルオープンであることを誇りに思える素晴らしい雰囲気で、ゴルフ界全体の盛り上がりを感じました。でも、本当の意味での日本ツアーの活性化は、選手個々のレベルアップが条件になります。
日本テニス界の盛り上がりも、錦織圭さんが海外で結果を残しているからです。10年、20年後の日本のゴルフ界を考えるなら、今は僕と(松山)英樹しかいない米国ツアーに参戦する日本人選手が7、8人になっている必要があります。そして、海外で活躍した選手が日本に戻ってくる。国内ツアーを盛り上げるためにはこれしかないと信じています」
石川自身のレベルアップはどう考えているのか。戦線離脱中、クラブ重量を軽くして体への負担を減らすなど、新たなスタイルを模索した。