「結婚」という形がはっきり定まったのは、明治時代に入り戸籍制度が導入されてから。女は結婚して相手の家に入る家制度が一般的だった。戦後、家制度は廃止されたが、高度経済成長期には「25才までに結婚。マイホームに子供が2人」が常識で、そこからはみ出る男女は「社会不適合者」のレッテルが貼られるほど、結婚には強い社会的圧力が伴った。もちろん、離婚もその1つ。
しかし、女性が社会進出し、恋愛結婚の比率が逆転するとともに“家同士の結婚”から“本人同士の結婚”に価値観がシフト。かつて女性は結婚まで貞操を守るのが当然で、みっともないと白い目で見られていた「デキ婚」も、今や4人に1人がそうだといわれている。
最近も女優・満島ひかり(30才)がテレビ番組で「デキちゃった方がいいですよね。みんな好きな人とデキちゃったらいいと思います!」と公言した。
土屋アンナ(32才)は3人目の子供を妊娠中だと報告。長男・澄海くん(12才)と次男・心羽くん(6才)、そしてお腹の赤ちゃんの父親はすべて別の男性だが、世間は歓迎ムード。
そして、うら若き学生時代から専業主婦を夢見て、30回以上ものお見合いをしてきたものの、ずっと独身を貫いていた阿川佐和子さん。63才にして、結婚を考えているという昔からの友人の存在が明らかになった。男性の元妻と阿川さんが友人関係だったことが縁だったとの報道もある。
世代は違えど、いくつになっても、何度でも、結婚はしたいものだし、幸せなもの──彼女たちの話からは、あふれる夢と情熱を感じるけれど、一方で恋愛や結婚をただコスパで考える若者たちが増えている。結婚したら得なのか、損なのか、考えすぎて結婚しない若者が増えた結果、いっそう少子化が進み、大きな社会問題になっている。そんななか「結婚は覚悟」と言い切る女性が現れた。
リオ五輪の柔道・銅メダリストの松本薫選手(29才)だ。大学時代に知り合った料理人の男性(30才)と、8年間の交際を経て11月1日に結婚した。入籍翌日となった2日、都内で開いた会見で、彼女が語った「覚悟」という言葉に、思わず背筋を伸ばした人も多いのではないだろうか。