ライフ

アクセルとブレーキの踏み間違い 事故回避の機能開発が必要

不幸な事故を減らすためには

 高齢ドライバーによる事故が増えている。運転免許の自主返納を促すなど、様々な取り組みが進んでいるが、果たして年齢による杓子定規な制度を定めるだけで事故防止に繋がるのか。高齢者の行動体系を研究する高知大学医学部精神科の上村直人・講師はこう指摘する。

「認知症も原因によって、自分のいる場所がわからなくなる症状が出るものとそうでないものによって違いがあり、進行度によっても差が大きい。それを一括りにして運転能力の判断基準に当てはめるのは、有効とはいえません」

 自動車評論家の国沢光宏氏も検査によるスクリーニングの有効性に疑問を呈す。それにより、「認知症でなければ運転しても大丈夫」という理解になりかねず、むしろ危険な状況を生むリスクがあるからだ。同氏は高齢者の事故は2つに大別することができると話す。

「1つ目は認知症によるもの、2つ目は認知症ではないが年をとることで反射神経や視力などの認知機能が衰えている場合に起こるものです。1つ目の認知症のケースは、免許返納をしてもリスクは残ります。なぜなら認知症が重度に進んでいた場合、免許を返納しているということ事態を忘れてしまう可能性があるからです」

 この問題には、解決法があると国沢氏は語る。

「車の鍵を解除するのに暗証番号を入力しなければ開かない仕組みにすれば良いのです。現在出回っている車にはこの仕組みが施されていませんが、技術開発にお金がかかるようなものではない。国交省や警察庁が真剣に取り組めば、事態は改善するはずだ」

関連キーワード

トピックス

俳優の竹内涼真(左)の妹でタレントのたけうちほのか(右、どちらもHPより)
《竹内涼真の妹》たけうちほのか、バツイチ人気芸人との交際で激減していた「バラエティー出演」“彼氏トークNG”になった切実な理由
NEWSポストセブン
ご公務と日本赤十字社での仕事を両立されている愛子さま(2024年10月、東京・港区。撮影/JMPA)
愛子さまの新側近は外務省から出向した「国連とのパイプ役」 国連が皇室典範改正を勧告したタイミングで起用、不安解消のサポート役への期待
女性セブン
11月14日に弁護士を通じて勝田州彦・容疑者の最新の肉声を入手した
《公文教室の前で女児を物色した》岡山・兵庫連続女児刺殺犯「勝田州彦」が犯行当日の手口を詳細に告白【“獄中肉声”を独占入手】
週刊ポスト
チョン・ヘイン(左)と坂口健太郎(右)(写真/Getty Images)
【韓国スターの招聘に失敗】チョン・ヘインがTBS大作ドラマへの出演を辞退、企画自体が暗礁に乗り上げる危機 W主演内定の坂口健太郎も困惑
女性セブン
第2次石破内閣でデジタル兼内閣府政務官に就任した岸信千世政務官(時事通信フォト)
《入籍して激怒された》最強の世襲議員・岸信千世氏が「年上のバリキャリ美人妻」と極秘婚で地元後援会が「報告ない」と絶句
NEWSポストセブン
「●」について語った渡邊渚アナ
【大好評エッセイ連載第2回】元フジテレビ渡邊渚アナが明かす「恋も宇宙も一緒だな~と思ったりした出来事」
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
「SUNTORYドリンクスマイルBAR」
《忘年会シーズンにこそ適正飲酒を》サントリーの新たな取り組み 自分に合った “飲み“の楽しさの発見につながる「ドリンク スマイル」
NEWSポストセブン