〈今、全国で話題になっている1冊のエッセイがあるのをご存じですか? 『九十歳。何がめでたい』。このキャッチーなタイトルは、10万部売れればヒットといわれる中、発売からわずか3か月で43万部突破。〉
こんな紹介で始まった『直撃LIVEグッディ!』(11月10日放送)の佐藤愛子さん(93才)インタビュー。
キャスターの安藤優子さん(58才)の質問に答える形で進んだインタビューには、本書と同様、佐藤さんの金言が詰まっていた。
若い頃、元夫の3500万円の借金を、執筆料や講演料によって完済。それは佐藤さんが返す必要のないものだったが…。
「お金を借りて返さない方が悪いに決まってるじゃないですか。私がいちばん嫌だったのはね、借金を払わずに逃げるでしょ。そうして街を歩いていたら電車に借金取りが乗っていたり、道で歩いてきたのと出くわすと、ちょっと逃げるじゃないですか。そういうふうに暮らすのが嫌だという。正々堂々と生きていきたいというのは、いつも思っていることなんでね」(佐藤さん、以下「」内同)
高橋克実さんの、つい子供を甘やかしているんじゃないかという悩みに対しては――。
「私は自然体がいいと思うんですよ。理屈でもって考えるのはやめたほうがいい。大体親はね、理不尽なものなんですよ。叱ったり、命令したり、それによって子供は鍛えられたんです。世の中は理不尽で充ち満ちているわけですから。だけど今の親は理不尽じゃないから、子供が弱い人間にできていると思います」
そして安藤さんは、テレビに出ていると、いい人に思われようとしてしまうと悩みを吐露。
「職業上、それはしょうがないんですよ。私は大衆に向かって、読者に向かって何か書くってことはないんです。自分で『こう思う』ということを書いているだけ。それに対して反対する人がいたら、勝手に反対してりゃあいい。共感を持つ人がいれば共感してください、と」
テレビという、広く大衆に向けたメディアで仕事をする安藤さんと、作家として生きてきた自分。そこには違いがあって当然。だから、あなたは今のままでいい、そうエールを送った。
実は放送されなかったが、このやり取りには続きがあった。佐藤さんはこんなふうに話した。