箱根駅伝で王者・青学大に挑戦するライバル校が集結した上尾シティハーフマラソン(11月20日)に、本番の白熱を予感させるドラマがあった。お馴染み「EKIDEN NEWS」の“博士”こと西本武司氏は、こうしたレースを見ることで「本番が何倍も面白くなる」と語る。
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都心から離れた埼玉東部で行なわれる上尾ハーフは、古くから各大学が箱根駅伝の“学内選考”に位置づけており、ファンにとって外せないレースだ。先週お伝えした世田谷246ハーフ(11月13日)はアップダウンが多い難コースであるが、この上尾ハーフは平坦なコース設定。20km強の箱根ディスタンスへの適性を見極めるのにうってつけで、箱根出場校選手にとっては“予選会”的位置づけなのだ。
1チーム16人の箱根エントリー枠に滑り込もうと、1時間5分以内で100人以上の学生ランナーが雪崩を打ったようにゴールへ駆け込む。その姿は壮観だ。
しかも今年は「曇天」「気温10度前後(寒すぎず、暑すぎず)」「モヤがかかる(循環器系にいい適度な湿度)」と好条件が揃い、例年以上にハイレベルな争いとなった。現地取材したと思しきフランスの陸上専門サイトは「アフリカ人ランナーたちも(日本人の台頭に)うかうかしていられない」と驚きを表現したほどだ。
存在感を示したのは、全日本2位の原動力となった早稲田大4年トリオである。中でも武田凛太郎が1時間1分59秒のトップでゴール。ラスト1kmまで集団が横一線で拮抗するなか、残り600mで仕掛けた山学大の上田健太(3年)のロングスパートにぴたりとつき、ラスト200mでさらにギアを上げて抜き去った。