今年9月に開設したブログ「KOKORO.」で連日、自身の病と気持ちの変化について包み隠さず、つぶさに綴ってきたフリーアナウンサーの小林麻央(34才)。
病気に支配されず、自分の人生を生きることを改めて宣言した麻央に、エールを送る女性がいる。娘を肺がんで亡くし、自身も皮膚がんの手術を受けたタレントのキャシー中島(64才)だ。
「現代の医学が追いつくまでもう少し。がんばってほしい」
それは娘の死を乗り越え、自身の皮膚がんをも前向きに受け入れた今でも、「どうして未来ある女性が…」と思っているからだ。
「娘の死を受け入れ、納得しなきゃいけないと思う一方でやっぱり、今でも七奈美はどうして亡くなったんだろうという思いは消えません。若い人のがんなんて絶対に嫌。冗談じゃない。まだこれからいろんなことを経験できるし、お子さんの成長も見たいと思う。絶対に治ってほしい。奇跡というよりも、現代の医学が追いついてくるはずだから」
今回は彼女とその家族の人生を振り返っていきたい。
7年前、29才という若さで亡くなった長女・七奈美さんに話が及ぶと、すぐに目に涙があふれた。すると隣の部屋にいた息子が、「オカン、大丈夫?」と言って顔を出す。「大丈夫、大丈夫」と言いながらティッシュの箱を目の前に用意してから話し始めた。
「もう、青天の霹靂でした。だって私たち家族は全員たばこを吸いません。お酒もほとんど飲まないし、いったい何が起きたのかわかりませんでした…」
肺がんがわかったのは、七奈美さんが結婚してすぐのこと。新婚旅行先のハワイで咳が止まらず、帰国後に駆け込んだ病院で肺炎と診断される。しかし、なかなか回復しないため、再度検査を受けたところ肺がんだとわかった。最初に話を聞いたのは、キャシーだけだった。
「勝野は、35周年の舞台をやっていて、相談することができませんでした。お姉ちゃんにも『もう少し調べてみよう』とだけ言って、さらに詳しく調べるため、がん専門の病院に行くことになったんです」
「お姉ちゃん」、そう家族から呼ばれ、ムードメーカーでもあった七奈美さんはそこで、『小細胞肺がん』という進行の速いタイプのがんであり、生存率6%だと宣告される。キャシーは家族にも事実を伝えた。
「ビービー泣く私とは反対に、お姉ちゃんは『大丈夫、私は闘うから』って。6%という数字を伝えられたときも、『じゃあその中に入ればいいんでしょ』って言っていました」
家族も前向きだった。
「うちの家族って楽天的というか、ラテン系というか。そのときは、絶対に大丈夫って思っていたんです。『先生の口癖が面白いね』って笑っていたくらいで、悲壮感はまったくなくて、入院だけど頑張ろうっていう感じでした」