長野県の限界集落で、大麻を隠し持っていたとして22人が一斉に逮捕された事件が各メディアで大きく報じられた。10月には元女優・高樹沙耶が同じく大麻取締法違反で現行犯逮捕されるなど事件が相次ぐ一方で、それでも“大麻解禁”を叫び続ける人たちがいる。彼らの主張とは──。
「医療用の大麻を必要としている人たちがいるのなら、日本でも認可されていいのかなと思っています。現時点では違法なので法律を守るべきだと思いますが、逮捕が続いてマスコミが面白おかしく書くことで、『大麻の栽培は絶対許可されない』といった話になると、神事やお祓いにも使われている大事な日本文化としての大麻が途絶えてしまうことになりかねません」
本誌の直撃に安倍昭恵首相夫人はそう語った。昭恵氏は以前から自らの公式サイトやSNS上で、医療用大麻解禁や麻薬成分のほとんどない大麻草をしめ縄づくりなどに活用することを訴えてきた。
一方で、大麻の不法所持による逮捕劇が相次いでいる。
11月23日、北アルプスにほど近い長野県の限界集落で、東京や神奈川から移住してきた27~64歳の22人が、大麻を所持していた容疑で一斉逮捕された。関東信越厚生局麻薬取締部は少なくとも大麻10kg、大麻草7本を押収。これは大麻タバコ2万本に相当する量だという。容疑者らは長野県の複数の町に分かれて暮らしていたが、音楽パーティを開くなどして集まり、コミュニティを形成して大麻を使用していたとみられている。
沖縄・石垣島に移住していた元女優の高樹沙耶が、同居人の男性2人と大麻を所持していたとして逮捕・起訴された事件も記憶に新しい。そのなかで注目されたキーワードは、「医療用大麻」だ。
高樹被告は今年7月の参議院選挙に、「医療用大麻の解禁」を公約に掲げて出馬した。当時は記者会見や街頭演説などで、「大麻には、認知症予防やリウマチへの効能など約250の疾患に効くというエビデンスがある」「英仏独伊などでは医療用大麻が販売され、米国では4つの州で嗜好品としても合法」と述べ、「合法化して研究を進めるべき」と訴えていた。
昭恵氏も「医療用大麻は認めるべき」と主張しているうちの1人だ。