今年もっとも活躍した社長は誰か──。産業能率大学が実施している年末恒例の調査「社長が選ぶ今年の社長2016」が、12月6日に発表された。
上位の顔ぶれを見ると、1位/孫正義氏(ソフトバンクグループ社長)、2位/豊田章男氏(トヨタ自動車社長)、3位/カルロス・ゴーン氏(日産自動車会長兼社長)。トップ3以下では、6位に永守重信氏(日本電産社長)、8位に柳井正氏(ファーストリテイリング会長兼社長)など、“常連組”の著名経営者がランクインした。
いずれも強力なリーダーシップとカリスマ性を持ち、業績の浮き沈みに関係なく日本企業を代表する社長たちというイメージがあるが、今年は特に彼らの大胆な“行動力”が際立った1年だった。
「孫氏は9月に約3兆円を投じて英国の半導体メーカーを買収したのを皮切りに、10月には10兆円の出資ファンドを設立、12月に入ると米国次期大統領のトランプ氏と会談し、米の新興企業などに約5兆7000億円を投資する約束をした。
豊田章男氏率いるトヨタは、次世代のエコカーである燃料電池車に続き電気自動車(EV)への本格参入も表明。また、子会社のダイハツ工業と長らく軽自動車のシェア争いを続けてきたライバル、スズキとの提携協議を進めるなど着々とグループ拡大を図っている。
また、日産のゴーン氏は度重なる燃費不正問題で窮地に陥った三菱自動車を素早く傘下に収めるなど、思い切った行動力が注目を集めた」(全国紙記者)
産能大の調査で選ばれたトップ10以外でも、業界の勢力地図を一変させるほどの大型事業をまとめ、名を上げた経営者もいる。
経済誌『月刊BOSS』編集委員の河野圭祐氏が指摘する。