ウルトラシリーズの元祖『ウルトラQ』、『ウルトラマン』が放送されてから、今年でちょうど50年。その節目を記念して、当時のスタッフやキャストが撮影・秘蔵していた貴重な写真をまとめた写真集『ウルトラマンの現場』が出版された。
「私たちも初めて見る写真があり、本当に驚きました。当時の撮影現場の熱気や空気感が伝わってきますね」
そう語るのは、ウルトラマンのスーツアクターだった古谷敏氏(73)、そして『Q』で毎日新報のカメラマン・江戸川由利子、『マン』で科学特捜隊(科特隊)のフジ・アキコ隊員を演じた桜井浩子氏(70)だ。2人は写真を見ながら、当時を懐かしく振り返った。
まず古谷氏のお気に入りの1枚は、大阪で対峙した古代怪獣ゴモラに必殺技「スペシウム光線」を放つウルトラマンの写真だ。
「この撮影(第26、27話)は大変だったんですよ。本番前に怪獣が大阪城のセットを壊しちゃってね。美術さんが直すんだけど、待ち時間が長くて撮影が長期戦になったんです。セットの作り直しは時間がかかり、徹夜になることも多い作業でしたから。
それに(科特隊の)ドラマ班と特撮班は別に撮影していてね。ドラマ班は大阪でロケだけど、僕らは東京に居残り。今頃大阪で豪遊しているんだろうなァ、なんて思いながらゴモラと戦いましたよ(笑い)。1つのシーンに色んな思いが詰まっていますね」(古谷氏)
そんな古谷氏は当初、ウルトラマンを演じるのに抵抗があったという。