「都議会」「待機児童」「介護」…逆風吹き荒れる小池百合子都知事(64才)。そんな小池知事は、女性を苦しめる待機児童についてどう考えているのか。女性セブンが独占インタビューを行った。
女性セブンはこれまで待機児童問題を何度も取り上げてきた。少子化が問題となるなか、多くの母親が子供を預けて働きたいのに、保育園に入れないことによって断念せざるを得ない状況は、日本社会が抱えるさまざまな矛盾を象徴すると考えるからだ。
2016年4月現在、東京都の待機児童は約8500人。オリンピックや豊洲の話題が先行して、都はこの問題を積極的に発信してないのではないか。そう問うと、知事の目の奥がキラリと光った。
「それはメディアの問題です。都はこの問題に緊急予算として126億円を出しています。オリンピックと豊洲ばかり報じるのはメディアですよ」
そうキッパリ語ったのち、小池知事は穏やかな口調に戻って語り始めた。
「待機児童はとても日本的な問題で、海外ではありえません。そもそも『待機児童』をどう訳せばいいのか。他の国にそんな言葉はありません。
海外ではパパとママが協力して家族みんなで子供を育て、幼稚園への送り迎えも順番にやります。日本のように、ママひとりが子供を抱えて、仕事を断念したり、『保育園落ちた日本死ね!!!』なんて言う国は聞いたことがない。とにかくこの状況を是正すること、それに尽きます」
解決策の1つが「働き方改革」だ。都は育児休業制度の改革や職場の理解促進のほか、男性の育児参加も促進する。
「第一、子供を出産したら会社から追い出されるような“空気”って、一体何なんですか。むしろ出産は誉で、みんなで拍手して、『さあ、子育てに行ってこい』と笑顔で母親を送り出すのが普通ですよ。海外では出産したら子育てはナニー(保護者に代わって子供を預かり面倒を見る女性のこと)が担います。外国では普通の家庭でもナニーを雇えますが、日本では自分の給料の倍くらい払わなくてはならないこともある。こうしたことも変えていかないとね」
しかし、足元では当の住民から反対の声が出ている。たとえば2016年5月、東京都杉並区が公園などの区用地を保育施設に転用する緊急対策を発表すると住民から反発が相次いだ。「子供の声がうるさい」というのが主な理由だ。
賛否両論ある難問だが、小池知事の考えは明確だった。