今年のNHK紅白歌合戦に単独司会に起用された嵐の相葉雅紀(33才)。先日行われたイベントでは、「年末に向けてどんどん緊張感が高まってきています」と語ったが、いったいどんな司会ぶりを見せるのか? これまであまり注目されてなかった相葉の「司会力」について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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「エッ、櫻井くんじゃないの?」、相葉さんの単独司会抜てきに驚いた人は多いのではないでしょうか。嵐の仕切り役と言えば櫻井翔さんであり、『ベストアーティスト』(日本テレビ系)など大型音楽特番の実績もあるため、「なぜ相葉くんなんだろう?」と思った人も少なくないようです。
もちろん今年4月にスタートした「『グッと!スポーツ』(NHK)での司会が評価された」という点はありますが、やはり最大の理由が“幅広い世代からの親近感”であることは間違いないでしょう。
芸能界の先輩後輩に加え、子どもから年配まですべての視聴者から「相葉くん」「相葉ちゃん」と呼ばれる親しみやすさは芸能界屈指。「明るく自然体の振る舞い」「穏やかで誰とでもフレンドリーに接する」姿は“嵐の体現者”とも言える存在であり、グループを代表して単独司会に抜てきされるのも納得です。
実際、『グッと!スポーツ』を見ると、相葉さんが醸し出す居心地のいい空間で、アスリートたちは素顔をさらけ出していますし、さらに極めつけは『相葉マナブ』(テレビ朝日系)。相葉さんは司会者にも関わらず、アンジャッシュ・渡部建さんやハライチ・澤部佑さんら芸人に交じって、楽しそうにボケたりツッコんだりを繰り返しているのです。「司会だから」と意気込んで仕切るのではなく、仲間同士でじゃれ合うような笑顔の空間を作っていることに気付いたとき、「相葉さんは将来、凄い司会者になるかも」と感じました。
相葉さんの司会スタイルは、誰よりも早く「エッ?」「へえ~」「スゲ~!」などの素のリアクションを取り、「アハハ」と声を出して笑うこと。司会者が上ではなく横並びのポジションを取っているため、出演者も視聴者も一緒に遊んでいる仲間のような気分になれるのです。
「カッコよく仕切って司会が上手いと言われたい」「何か面白いことを言って笑わせよう」と実力以上のものを見せようせず、「自分のできることを頑張ろう」とする相葉さんの姿勢が好感度を高めているのでしょう。ネットの普及で情報が錯綜し、個人の発信が当たり前になった今、求められているのは相葉さんのような「無理をしない、ウソのない」司会者像。強めのツッコミやボケを軸にした芸人司会者が全盛の中、「素直に話を聞き、素直な反応を返せる」相葉さんの需要は今後増える気がするのです。