自らのお金に対する考え方を語り尽くした著書『行ったり来たり僕の札束』(小学館)を発表した高須クリニックの高須克弥院長(71才)。「あと数十億円使い切って死ぬ」と豪語する高須院長に、様々な質問をぶつけた。
【お金の使いからを教えてください!】
「ぼくは、とにかくその時面白いな、と思ったこと、心の琴線に触れることにお金を使いたいんです」(高須院長、以下「」内同)
4月の熊本地震では、高須院長自ら被災地にヘリで支援物資を輸送し、リオ五輪では、資金難に陥っていたサッカーのナイジェリア代表選手に4000万円もの大金を寄付。
「あのおかげで、ぼくのフォロワーが1日で1万人増えたの。ナイジェリアで国民的英雄になっていて、今、選挙に出たら大統領になれるんだって。だから本当は年明けにナイジェリアに行くつもりだったけれど、治安が悪くて危険だからと周りにとめられて諦めたの」
バブル期にはル・マン24時間耐久レースに参加。4億円をかけたレーシングカーは、1週目で火を噴いて燃えた。最近は「ポケモンGO」をするためだけにヘリコプターをチャーターした。
興味があることには糸目をつけないが、興味のないこと、例えば服装には無頓着。東京で定宿にしている『ホテルニューオータニ』には、パートナーの漫画家・西原理恵子さん(52才)がプレゼントしてくれたユニクロの洋服や下着が山積みになっている。
「サイバラが『大事にしろよ』って言うから毎回クリーニングに出してたら、『1回でユニクロの値段を超えちゃう』と怒られたから、『使い捨てにするものなのか?』と聞いたら、『適当なところで捨てる』と言われた。知らなかった。ユニクロは近くにないし、行ったこともないから」
【「使い切る」ことを子供たちは許してくれたの?】
「息子は3人とも医者になって自分で稼げるからね。しかもお金が残ると、遺産をどのように処分しようかって争いが起きるけれど、なかったら争いが起きないからね」
教育を受けることができて、自分で食べていけるのなら、余分なお金は邪魔になる。だから、子供や孫にも1円たりとも残さないのが高須流だ。
「だって、自分の足で歩ける人に、車椅子を買い与えるようなものでしょ? 子供たちもそれでいいと言っているし、彼らのほうがケチなの(笑い)」
子供たちがケチになったのは、高須院長がバブル崩壊後に作った、100億円の借金が原因だった。
「ぼくね、100億借金があった時も派手だったんです。いろんなところで寄付を求められると、お金がなくても寄付をするの。だから高須の親父はすごく気前がいいと学校で噂になって、子供たちがそれを信じるといけないから、ある日妻が3人の子供を座らせて『うちは貧乏だから』と宣言したの。借金もあるし、収支はマイナスだって。まだ中学生くらいだったからものすごくトラウマになったみたいです。だから今でも、『お父さんが半分出してやる』と言わないと子供たちはお金を出さない。家族の中でぼくがいちばん気前がいいんだよ」