フジテレビ報道局で警視庁担当、司法担当、横浜支局長などを務めたA記者(31)の暴力団関係者への利益供与疑惑は本誌・週刊ポストの直撃取材によって明るみに出た。その後フジテレビはA記者が取材対象者から過剰な接待を受け車の名義貸しをしていたことを認め、「視聴者の皆様に心よりお詫び申し上げます」と謝罪。また、取材対象者が反社会的勢力に属する人物であるかは「確認できていません」とした。
A記者は社会部の記者として事件や裁判報道を担当してきた。2016年7月に起きた神奈川県相模原市の障害者施設の入所者殺傷事件や、横浜市の大口病院で9月に発生した点滴異物混入事件の現場からレポートする姿が、『FNNスピーク』などフジの看板ニュース番組で放送されている。
そのA記者が取材の現場から外れたのは1か月ほど前のことだという。警視庁担当記者がいう。
「A記者には“反社会的勢力のメンバー”が車を入手する際に名義を貸した疑いが掛けられ、会社から“謹慎”を命じられたと聞いています。捜査関係者からはその車種や購入金額、相手が関係する暴力団の組織名など具体的な話が出てくる。というのも、山口組系の指定暴力団組織を家宅捜索する中で、関係先でA記者名義のアウディが確認されたという情報なのです」
A記者は普段車を運転していないといい、本誌が直撃した夜も徒歩で帰宅するところだった。その後、A記者の母親にも直撃すると、名義貸し疑惑については「何も知らない」と答えた上で、「あの子は車なんて持っていない」と話した。
つまり、A記者がたまたま乗りつけた車が見つかったのではなく、反社会的勢力に自分名義の車を使わせていた疑いがかけられているのだ。